海外移住を考えている多くの家族が、移住計画や準備の複雑さに不安を感じているかもしれません。
この記事では、移住を検討している家族が知っておくべき基本的な手順から、移住先選びのポイント、移住前に必要な手続きまでを一つずつ丁寧に解説します。
ぜひこの記事を通して、海外での生活への不安を解消し、移住計画を具体的に進めるための知識を身につけましょう。
【移住の手順1】海外移住を考えた時にやるべきこと
海外への移住を検討する際には計画的に進めることが非常に重要です。海外への移住を考え始めたら、まずは家族全員の意見を聞き、移住の目的を明確にすることが大切です。
何のために移住するのか、それぞれの期待する生活はどのようなものかを話し合いましょう。
\あわせて読みたい/
家族と移住目的を確認
家族それぞれの希望を理解し、全員が同じ方向を向いていることが重要です。移住は一人だけの問題ではなく、家族全員の大きな生活の変化となります。
子どもの教育やパートナーのキャリアなど、家族全員のニーズを考慮した目的を設定することが成功への第一歩です。家族全員が心から同意し、移住生活に対する不安を解消するためにも家族そろって話し合いの場を持つことが大切です。
移住費用の見積もり
実際の移住費用は目的地によって大きく異なります。生活コスト、初期投資、持続可能な生活費用をリアルに計算しておくことが重要です。下記のリストを参考に、移住費用を見積もってみてください。
移動費 |
|
ビザ申請関連費用 |
|
住宅関連費用 |
|
初期設定費用 |
|
日常生活費 |
|
保険料 |
|
教育費 |
|
【移住の手順2】海外移住の移住先選び
家族と共に海外での移住生活をスタートすることを決意したなら、移住先をどう選ぶかが最も重要です。
ここでは移住先を選ぶポイントと、移住先選びで確認すべき点について解説します。
\あわせて読みたい/
移住先選びのポイント
移住先の選択が、自身だけでなく家族全員の将来の生活に直接影響を与えるため、慎重に考慮する必要があります。移住先を選ぶ際の主なポイントを5つ紹介します。
【移住先選びのポイント】
移住先のビザ政策を理解し、自分や家族が該当するビザを取得できるか確認してください。
生活の基本的な費用を事前に調べ、現在の収入や貯金で快適に暮らせるか評価します。
公用語が自分が話せる言語かどうかをチェックし、言語学習が必要な場合はその準備も考慮に入れましょう。
移住先の治安情報を確認し、家族の安全を守れる環境かどうかを見極めます。
自分や家族が健康に過ごせる気候かどうかも重要な選定基準です。 |
これらのポイントを基に、自分と家族のニーズに最も合った国を選びましょう。
移住先選びで確認すべきこと
移住先を選ぶ際には、具体的な生活環境を細かく調べることが不可欠です。以下の4つのカテゴリーで確認すべき主な項目を解説します。
【確認すべきポイント】
|
生活コストと生活水準
生活コストは移住計画において基本的な検討ポイントです。食費や住居費など、日常生活に必要な費用の合計が、現地でどれだけ必要か事前にリサーチします。
例えば、アジアの一部では日本の約1/3の費用で生活可能な場所もありますが、ヨーロッパや北米では日本以上の生活費が必要となることもあります。
移住先での生活水準を想定し、公共交通の便、街の清潔さ、治安の良さなど、生活の質に影響を与える要素を確認しましょう。
教育環境
家族での移住では子どもの教育環境も重要な判断基準です。現地の学校のレベルや、アメリカンスクールやインターナショナルスクールの有無、学費などをリサーチしておく必要があります。
言語面での支援や特別な教育プログラムがある学校を選ぶことが、子どものスムーズな環境適応を助けるでしょう。
医療サービスの質
万一の病気や怪我に備えて、医療サービスの質は確かめておきたいポイントです。特に長期にわたってその国に滞在する場合、現地の医療サービスのレベルや保険システムを理解しておく必要があります。病院のアクセス性や医療技術のレベル、必要な保険の種類や費用についても調査しましょう。
特に子どもがいる家庭では、小児科の医療レベルや緊急時の対応をチェックしておくと安心です。
税制と社会保障の仕組み
移住先の国によっては、税金が大きな負担となることもあります。日本との税率を比較し、所得税や消費税、住民税などの税制を理解しておくことは大切です。また、社会保障の仕組みを知ることで、年金や健康保険、失業保険など自分が利用可能な社会保障サービスを事前に調べ、安心して生活できる環境かどうかを判断します。
【移住の手順3】海外移住前にやるべき手続き
移住先が決まったら、いよいよ移住に向けた様々な手続きを始めます。手続きをスムーズに行うポイントは事前に必要な手続きを確認し計画的に進めることです。
ここではビザの申請から行政手続きなど、移住前にやるべき手続きについて解説します。
移住先のビザの種類と申請ステップの確認
スムーズにビザの申請が行えるよう、ビザの種類の紹介からビザ申請に必要な書類と申請ステップまで説明します。
ビザの種類
就労ビザ | 海外で働くことを目的としたビザ。通常、雇用契約を条件に発行されます。申請者が専門的なスキルや資格を持っている必要があることが多く、その国の労働市場に貢献できることが期待されます。 |
投資家ビザ | 大きな資本をその国の市場に投資することを条件に設けられています。一定額以上の投資が要求されるため、事前のしっかりとした資金計画が必要です。外国人投資家からの資金調達、そして経済活性化を図ることを目的としたビザです。 |
起業家ビザ | 新たなビジネスを創業する人向けのビザです。ビジネスプランの実現性や、それによってその国にもたらされる経済的利益が評価される基準で審査されます。ビジネスプランの提出が求められることが一般的です。 |
リタイアメントビザ | 退職後に安定した収入源を持つ人々が、主に生活の質を求めて安住の地を求めるためのビザです。このビザの取得条件には、定期的な収入証明や健康保険の加入が含まれることが多いです。 |
\あわせて読みたい/
ビザ申請のための必要書類
ビザの申請プロセスを円滑に進めるために必要な書類を前もってきちんと準備しておくことがポイントです。
パスポート | 有効期限が入国日から1年以上残っているか確認が必要 |
ビザ申請フォーム | 大使館の公式ウェブサイトからダウンロード可能 |
証明写真 | 写真サイズは国によって規定が異なるため確認が必要 |
親族関係を証明する資料 | 出生証明書や結婚証明書など |
健康診断証明 | 健康診断は指定された医療機関で受信 |
財政証明 | 銀行の預金残高証明書や収入証明書など |
職歴証明書 | 以前の雇用主からの推薦状や職務経歴書など(※ビザによる) |
犯罪履歴証明書 | 申請者が以前住んでいた全ての国々での証明書の提出が必要 |
ビザの申請手続き
ビザを取得するプロセスは移住先の国・取得するビザによって異なりますが、一般的な手順は以下の通りです。
ビザの種類を確認
移住したい国の公式ウェブサイトや大使館から、必要なビザの種類について正確な情報を得ることが重要です。
必要書類の準備
パスポートや出生証明書、結婚証明書など、基本的な身分証明書から、職歴や財政状態を証明する書類まで、多岐にわたる可能性があります。
申請手続き
書類が整ったら、ビザ申請をします。オンラインでの申請や、指定された申請センターでの申請手続きが必要になる場合もあります。
面接
多くのビザでは、申請者本人が面接を受けます。面接では移住の目的や計画について質問されることが一般的です。
面接での言語は、主に申請先の国の公用語や英語で行われることが一般的です。面接時の言語や通訳の使用可否については、大使館や領事館に直接確認することが最も確実です。
承認待ち
すべての手続きが完了した後は、ビザの承認を待つだけです。この期間は数週間から数ヶ月かかることがあります。
行政手続き(健康保険、住民票、国民年金)
海外移住前に行政の手続きも行う必要があります。ここでは「住民票」「国民年金保険」「国民健康保険」「マイナンバー カード」「住民税」の5つに焦点を当てて解説します。
住民票 | 1年以上海外に移住する場合、市町村役場にて「海外転出届」を提出し、住民票を除票する手続きを行います。公的記録上での住所が海外に変更されます。 |
国民年金保険 | 国民年金第1号被保険者は、海外移住に伴い、任意継続被保険者への変更を申請可能です。海外での生活中も年金の支払いが継続され、将来の年金受取額に影響が出ないようにすることができます。 |
国民健康保険 | 海外に長期間滞在する場合は、国民健康保険からの脱退が必要になります。これにより健康保険税の支払い義務がなくなります。 |
マイナンバーカード | 海外移住を理由にマイナンバーカードを返却することも一つの手です。しかし、帰国後に再発行する手間を考えると、保持しておく選択もあります。 |
住民税の支払い | 最終的な住民税の精算を行い、滞在中の税金が発生しないようにしましょう。住民税は1月1日の時点で住民票がある市区町村で課税されるため、翌年6月からの1年間における住民税は一般的に発生しませんが確認が必要です。 |
出発前の健康診断と予防接種
多くの国ではビザ申請の一環として、健康診断の提出を求められます。
また、移住先によっては特定の予防接種が必須とされることがあります。例えば、黄熱病や肝炎、破傷風など、現地で流行している感染症に対する予防接種が推奨される場合が多いです。予防接種は複数回接種が必要なものもあり、完了するまでに時間がかかることもあるため、この時期にはしっかりと計画を立てておくことが大切です。
日本人が住みやすいおすすめの移住先5選
日本人が海外で新たな移住生活を始める際、どの国が日本人にとって住みやすいのでしょうか?ここでは、教育水準、医療サービス、安全性、取得しやすい永住権といった観点から、特におすすめの国を5つピックアップしました。
シンガポール
シンガポールは安全で清潔、かつ経済的に安定している国です。この国は世界屈指の教育制度を持ち、公立学校だけでなく、英語を主言語とする国際学校が豊富にあり、子どもの英語教育を考える家庭には特におすすめです。
また医療システムも高度に整備されており、公的な医療保険制度によって、住民は質の高い医療サービスを受けることができます。言語の壁も少なく、英語が公用語の一つであるため、日本人にとっても比較的適応しやすい国です。
ニュージーランド
ニュージーランドは豊かな自然環境と安定した政治をあわせ持つ国です。教育制度も整っており、子供たちがのびのびと学び成長できる環境が整っています。環境教育にも力を入れています。
また治安が良いので家族連れに向いている国の一つです。さらにニュージーランドは生活のペースがゆっくりとしており、家族でのんびりと暮らすのに向いている国です。
カナダ
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit:EIU)が発表した2023年の「世界の住みやすい都市ランキング(Global Liveability Index 2023 Report)」では、上位10位の中にカナダの都市が3つもランクインするほど、世界的にも住みやすい国として認知されています。
カナダは安全で、医療サービスも充実しているため、家族全員が健やかに生活できる環境が整っています。
また、教育においては、公立学校の教育費が無料で、大学進学前の幼少期から高等教育まで、質の高い教育を受けることができます。特に、カナダは多文化が共生する社会なので、さまざまな背景を持つ人々と接することができ、国際感覚を養うことができます。
マレーシア
マレーシアは、低コストで高い質の生活が送れるため、コスパが良い国と言えるでしょう。
「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」プログラムを利用することで、5年以上マレーシアに滞在すると、永住権の申請資格が得られます。
日本食レストランも多く、食文化の面でも住みやすいです。英語が広く通じるため言語の壁も少なく、コストパフォーマンスの高い生活、豊かな自然、温暖な気候は、長期的に住むには魅力的な要素が多いです。
スイス
スイスは政治が安定しており、治安が非常に良好です。教育システムは世界トップクラスで、多言語が使われているため、子どもたちが国際的な環境で学ぶ機会に恵まれています。
また、医療システムも高度で、健康保険がしっかりしているため、健康面での心配も少ないです。ただし、生活コストは他の国々と比べて高いため、事前の資金計画が必要です。
まとめ
海外移住を成功させるためには、入念な計画と準備が不可欠です。移住先を選ぶ際には、教育や医療の質、生活の安全性、そして経済的な側面を考慮することが重要です。この記事で紹介したおすすめの国を参考に、各国の特色を理解し、自分や家族のニーズに最も合った国を選びましょう。
また、ビザの取得や必要な行政手続きを事前に確認し、準備しておくことで、移住後の生活をスムーズに始めることができます。海外で新たな生活を始める決断は大きな一歩ですが、十分な準備をすることでスムーズな夢の実現に役立つでしょう。
弊社ではビザの申請サポートはもちろん、現地への移住サポートからお子様の学校探しのお手伝いまで幅広く行っています。
海外への移住をお考えの方は、ご希望に沿った形でのご提案やサポートが可能ですので、お気軽にご連絡くださいませ。
海外への移住に関する詳細:https://www.la-quarta.jp/immigration
Komentáře