老後にイギリス移住が人気の理由5選|ビザの種類と現地の物価情報
- lmeysmasa
- 8月28日
- 読了時間: 13分
更新日:1 日前

老後はこれまでとは違う環境で心豊かに暮らしたい—そんな思いから、海外移住に関心を持つ方が増えています。なかでもイギリスは、伝統ある文化と美しい自然が共存し、落ち着いた暮らしを送りたい人にぴったりの国です。
しかし、実際に移住を計画するとなると、ビザ取得や生活費、医療制度といった不安も出てくるのではないでしょうか。
この記事では、イギリス移住の魅力をはじめ、現地での生活情報や物価、取得すべきビザの種類などを詳しく解説します。老後の暮らしに海外という選択肢を加えたい方にとって、イギリス移住を現実的に考えるきっかけとなるはずです。
老後にイギリス移住が人気の理由
イギリスは豊かな自然や歴史ある文化、整った社会制度などが魅力とされ、老後の移住先として関心を集めています。英語が通じる環境や、ヨーロッパ各国へのアクセスの良さも人気の理由のひとつです。
ここでは、イギリスが老後の移住先として選ばれている理由を、5つの視点から詳しくご紹介します。
ゆったりした生活環境と豊かな自然
イギリスの郊外や地方都市では、自然と調和した落ち着いた生活を送ることができます。緑あふれる田園地帯や歴史的な村落、整備された公園などが多く存在し、日々の散歩やガーデニングなどの余暇を楽しめる環境が整っています。
都市部に比べてストレスの少ない日常を送れるため、健康的でゆったりとした老後の生活を望む人々には理想的な環境です。特に湖水地方やコッツウォルズなどは、観光地としても知られており、日本人にも人気の高い移住先です。
豊かな歴史と文化、多様な社会
イギリスは長い歴史と深い文化を持つ国であり、美術館や博物館、演劇、音楽などの芸術に触れる機会が豊富です。高齢者向けの文化イベントや地域コミュニティの活動も盛んで、年齢を重ねても社会とのつながりを持ちやすい環境が整っています。
また、移民の多い多文化社会であるため、日本人に対する理解や受け入れ体制も比較的良好です。英語が話せれば現地の人々と交流も深まりやすく、孤立しにくい生活が送れる点も魅力です。
充実した医療・社会保障制度
イギリスには「NHS(国民保健サービス)」という公的医療制度があり、移住者でも条件を満たせば基本的な医療が原則無料で受けられます。高齢者にとって医療へのアクセスが確保されていることは、老後の移住先として重要なポイントです。
また、介護サービスや福祉支援も充実しており、年齢に応じた公的支援を受けやすい仕組みが整っています。ただし、永住権を取得しなければ利用制限があるため、その点には注意が必要です。
英語圏であること
イギリスは英語圏であり、日本人にとって最もなじみのある外国語で生活できる点は、大きな安心材料です。基本的な英語が使えれば、買い物や交通、医療機関でのやり取りなど、日常生活の多くを無理なくこなせます。
発音や表現にはイギリス英語特有の言葉もありますが、ゆっくり話してもらうようお願いすれば問題なく対応できる場面が多く、暮らしの中で徐々に慣れていくことができます。
また、ロンドンをはじめとした都市部には日本語が通じるクリニックや、日本人スタッフが在籍する生活サポート機関も存在しており、語学に不安がある方でも安心して暮らし始める環境が整っています。英語力に自信がなくても、移住後に必要なサポートを受けながら生活に慣れていくことが可能です。
欧州へのアクセスの良さ
イギリスは、ヨーロッパ各国への玄関口としても優れた立地にあります。ロンドンやマンチェスターなどの主要空港からは多数の国際線が出ており、フランスやイタリア、スペインなどへの移動も短時間で可能です。
老後の自由な時間を使って、週末旅行や季節ごとの観光を気軽に楽しめるのは大きな魅力です。また、格安航空会社(LCC)や鉄道網も充実しており、費用を抑えながらヨーロッパ各地を旅することができます。
遠方に住む家族と現地で合流したり、再会の機会をつくりやすいのも、イギリスならではのメリットです。
老後にイギリス移住するために必要なビザの種類と取得条件
イギリスに老後移住を考える際に、まず確認しておきたいのが「どのようなビザで滞在できるのか」という点です。観光とは違い、長期的に暮らすには、目的に応じたビザの取得が必要になります。
ここでは、老後のライフプランに合わせて検討できる主なビザの種類と、その取得条件についてわかりやすく解説します。
Investor Visa - Tier 1(投資家ビザ)
投資家ビザはイギリス国内で一定額以上の投資を行うことで長期滞在を可能にする制度です。高額な投資が必要となるため、主に富裕層向けのビザと位置づけられています。以下に概要をまとめます。
項目 | 内容 |
対象者 | 一定の資産を持ち、イギリスで投資活動を行う個人 |
主な要件 | 認可を受けたイギリス国内の企業などに200万ポンド以上を投資すること |
有効期限 | 最長3年(延長可能)/投資額により最短2年で永住権申請が可能 |
その他 | 現在、新規申請の受付は停止中の可能性あり。最新情報の確認が必要 |
取得後は、配偶者や18歳未満の子どもを帯同することも可能です。永住権の取得条件は投資額によって異なり、200万ポンドで5年、500万ポンドで3年、1,000万ポンドで2年となります。
Innovator Founder visa(イノベーター・ファウンダー・ビザ)
イノベーター・ファウンダー・ビザはイギリスでの起業を目指す方を対象とした制度で、革新的なビジネスアイデアとその実現性が重視されます。ビジネス経験者や経営者層向けの制度です。
項目 | 内容 |
対象者 | 革新的なビジネスアイデアを持ち、イギリスで起業したい経験者・経営者層 |
主な要件 | 認定団体による事業計画の承認、およそ5万ポンド程度の資金、英語力(B2レベル) |
有効期限 | 最長3年(更新可能)/一定のビジネス成果により永住権申請が可能 |
その他 | 審査基準はビジネスの実現性・持続性・成長性。家族帯同も可能 |
承認された事業が継続的に成長していると認められれば、永住権への申請も可能です。投資家ビザと異なり、より事業内容に対する評価が重視されます。
Start‑up Visa(スタートアップ・ビザ)
スタートアップ・ビザはこれから起業を目指す方を対象としたビザで、実績よりも将来性のあるビジネスプランが評価されます。イノベーター・ファウンダービザの準備段階として位置づけられることが多いです。
項目 | 内容 |
対象者 | 初めて起業する個人で、まだ法人化していない事業プランを持つ人 |
主な要件 | 認定団体によるビジネスプランの承認、英語力(B2レベル) |
有効期限 | 最大2年(延長不可)/満了後はイノベーター・ファウンダービザへの切替を想定 |
その他 | 資金要件はなし/将来的な起業ステップのための準備段階のビザ |
このビザでは永住権の申請はできませんが、2年間で事業を軌道に乗せられれば、次のステップとしてイノベーター・ファウンダービザへの移行が見込まれます。
永住権を取得するには?
イギリスで長期的に安定した生活を送るには、「永住権(Indefinite Leave to Remain)」の取得が大きな節目となります。取得には、原則として5年以上の継続的な滞在に加え、就労・起業・投資などの実績が必要です。
さらに、以下の条件も満たす必要があります。
英語能力:B1レベル以上の英語力を証明するテストに合格
英国理解テスト:イギリスの文化や歴史に関する「Life in the UK Test」の合格
永住権までに必要な年数はビザの種類によって異なります。たとえば、Investor Visaは投資額に応じて最短2〜3年で申請が可能であり、Innovator Founder visaでは通常3年の滞在と事業の成果が条件となります。
永住権を取得すれば、NHS(国民保健サービス)の無償利用や公的福祉制度へのアクセスが可能となり、生活の安定度が大きく向上します。
イギリスの物価は本当に高い?
「イギリスは物価が高い」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実際の生活費は住む地域やライフスタイルによって大きく変わります。特にロンドンのような都市部と地方都市とでは、支出に大きな差が出ることもあります。
ここでは、老後の生活に直結する食費・住宅費・医療費の3つに注目し、イギリスでの生活費の実情を詳しくご紹介します。
食費
イギリスでの食費は「外食」と「自炊」で大きく異なります。例えば都市部のカフェやレストランではランチが15〜25ポンド(約2,800〜4,700円)と高めですが、一般的な食材はスーパーで比較的安く手に入ることが多く、特に自炊中心なら節約効果が期待できます。
以下は、食品の実際の価格を日本と比較した参考例です(2025年時点/ロンドンや東京など主要都市ベース)。
品目 | イギリス(ロンドン) | 日本(東京) | 備考 |
リンゴ(1個 約150g) | 約0.33 ポンド(約70〜80円) | 約150〜200円程度 | イギリスは比較的安価 |
牛乳(1リットル) | 約1.00 ポンド(約190円) | 約200〜220円 | 大きな差はなし |
パスタ(500g) | 約0.80 ポンド(約150円) | 約180〜200円 | イギリスは種類が豊富で低価格傾向 |
外食ランチ(軽食) | 約15〜25 ポンド(約2,800〜4,700円) | 約1,000〜1,500円 | ロンドン都市部の価格例 |
イギリスでも自炊中心の生活を選べば日本と同等あるいはそれ以上に節約しやすいことがわかります。
もちろん、居住地域や店舗選びによって変動しますので、現地のスーパーマーケット(例:Aldi、Lidl、Tescoなど)や市場の価格をチェックするのがおすすめです。
住宅費
住宅費は都市によって大きく差があり、特にロンドンはイギリスの中でも群を抜いて高額です。中心部で1LDKの賃貸を探すと、月額1,500〜2,500ポンド程度かかるのが一般的ですが、地方都市や郊外ではその半分以下の家賃で同等の物件が見つかることもあります。
以下に、日本人に人気のある都市を中心に、住宅費の目安をまとめました(2025年時点の参考価格)。
都市名 | 家賃 (1LDK中心部) | 家賃 (1LDK郊外) | 特徴 |
ロンドン | £1,800〜2,500 | £1,200〜1,700 | 高額だが交通・医療・日本食環境が充実 |
エディンバラ | £1,100〜1,500 | £800〜1,100 | 物価は比較的安定、文化と自然が調和 |
マンチェスター | £1,000〜1,400 | £700〜1,000 | 交通網・ショッピング環境が整った中都市 |
ブライトン | £1,200〜1,600 | £900〜1,200 | 温暖で治安も比較的良好、海辺の人気都市 |
オックスフォード | £1,300〜1,800 | £1,000〜1,400 | 教育都市。住環境は良いが家賃はやや高め |
地方であっても治安や交通の便、日本人コミュニティの有無など、生活のしやすさを考慮した上でエリアを選ぶことが大切です。また、購入を検討する場合は、建物の築年数や周辺インフラの確認もしっかりするようにしましょう。
医療費
イギリスではNHS(国民保健サービス)に登録すれば、基本的な医療サービスは無料で受けることができます。ただし、ビザの種類によっては登録にはIHS(移民健康サーチャージ)の支払いが必要となり、年額624ポンド(2024年時点)がかかります。
処方薬についても、イングランドでは定額制(1処方につき約9.65ポンド)となっており、高額な治療でも追加費用が発生しにくいのが魅力です。とはいえ、歯科や眼科は自己負担となることが多いため、民間保険への加入を検討するのも一案です。
老後にイギリス移住する前に知っておきたいこと
老後のイギリス移住を円滑に進めるためには、出発前の準備と制度への理解が重要です。中でも、ビザの取得要件や医療制度の違い、税制、日本の年金との関係についてはしっかり把握しておく必要があります。
ここでは、移住後の生活をスムーズに始めるために知っておきたい、4つの重要なポイントをわかりやすく解説します。
ビザの取得が極めて困難
現在のイギリス移住では、一般的なリタイアメントビザ(老後移住向けのビザ)は存在しておらず、投資家ビザや起業家ビザなど、特定の条件を満たすビザを取得する必要があります。そのため、老後の移住を希望する多くの方にとって、ビザの取得は大きなハードルとなるのが実情です。
株式会社La-Quartaでは、こうした条件の整理や移住先の選定において、投資による移住や海外不動産の紹介、国際税務に関するコンサルティングなどを通じたサポートを行っています。ご本人の資産状況や移住目的に応じて最適な選択肢をご提案することで、安心して移住計画を進めていただける体制を整えています。
IHSとNHS
イギリスでNHS(国民保健サービス)を利用するには、ビザ申請時に「IHS(移民健康サーチャージ)」を支払う必要があります。費用は年間624ポンド(約12万円)で、滞在期間に応じてまとめて支払います。
IHSを支払うことで、以下のような基本的な医療サービスが追加費用なしで受けられます。
GP(かかりつけ医)の診察
専門医の紹介や治療
救急対応や入院、手術 など
ただし、処方薬(1回約£9.90)、歯科、眼科などは一部自己負担となるため、持病がある方や頻繁に医療を利用する方は、民間保険との併用を検討すると安心です。
なお、永住権(Indefinite Leave to Remain)を取得すれば、IHSの支払いは不要になります。老後の長期滞在を考えている方にとって、永住権の取得は医療面でも大きなメリットになります。
税金制度
イギリスの税制度は日本と大きく異なり、老後に資産や年金を持って移住を検討する方にとっては、事前の理解が欠かせません。
特に注意したいのは居住日数によって課税範囲が変わる点です。年間183日以上イギリスに滞在すると「居住者」とみなされ、世界中の所得が課税対象になる可能性があります。
主な税目は以下のとおりです:
所得税:年金、利子、配当、不動産収入などが対象
キャピタルゲイン税:資産の売却益に対して課税
相続税:居住地にかかわらず、海外資産も課税対象になる可能性あり
また、日本とイギリスの間には租税条約があり、二重課税を回避できる仕組みも整っていますが、適用には正しい申告と制度理解が必要です。
老後資金の管理や税負担を最適化するためには、イギリスの税制度に詳しい専門家のサポートを受けることが重要です。移住後に思わぬ課税リスクに直面しないよう、早めの対策をおすすめします。
日本の年金受給
イギリスに移住した後も、日本の年金を海外で受け取ることは可能です。受給を継続するには、日本で海外転出届を提出したうえで、毎年「在留証明書」や「現況届」を年金機構に送付する必要があります。これを怠ると支給停止となる可能性があるため、注意が必要です。
送金方法は、指定した海外口座への直接送金(円建てまたはポンド建て)が一般的です。ただし、為替レートや送金手数料によって実際の受取額が変動する点には留意しましょう。為替のタイミングや受取通貨によっては、大きく差が出ることもあります。
また、年金収入がイギリスで課税対象となるケースもあるため、移住前に日本とイギリスの年金課税の取り扱いや租税条約の内容を確認しておくようにしましょう。
まとめ
この記事では、老後にイギリス移住を考える方に向けて、ビザの種類や取得条件、医療制度、税制、日本の年金受給に関するポイントなどの情報をご紹介してきました。
イギリスは、英語で生活できる環境、高水準の医療制度、ヨーロッパ各国へのアクセスの良さなど、老後を充実させたい方にとって魅力的な選択肢です。 一方で、ビザの要件や税制の違いなど、事前に確認すべきことも多く、移住を現実のものにするには専門的な準備が必要です。
株式会社La-Quartaでは、老後の海外移住に関する個別相談を受け付けており、資産状況や希望するライフスタイルに合わせたプランニングをサポートしています。まずはお気軽にご相談いただき、ご自身に合った移住のかたちを一緒に考えてみませんか?

小林雅之 Masayuki Kobayashi
海外移住コンサルタント、La Quarta代表。20年以上にわたり海外移住支援に携わり、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国の投資移住制度に精通している。これまで多数のクライアントの移住を成功に導いた実績があり、長年の実務経験に基づいて実践的かつ信頼性の高い情報を提供している。
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