ニュージーランド移住でリタイアメント生活|ビザの種類や医療制度
- lmeysmasa
- 3月27日
- 読了時間: 12分

ニュージーランドは、温暖な気候に恵まれ医療制度も整っているため、安心してセカンドライフを過ごせる環境が整っています。そのため、リタイアメント後の移住先として世界中の人々から注目されています。
しかし「ニュージーランドでリタイアメント生活を送りたい」と考えたとき、どのようなビザが必要なのか、生活費はどのくらいかかるのか、医療・福祉制度はどのようになっているのかといった疑問が生じるでしょう。
この記事では、ニュージーランド移住を検討している方々に向けて移住に必要なビザの種類、生活費や医療制度の概要について詳しく解説します。ニュージーランドでの豊かなリタイアメント生活が実現できるよう、ぜひ参考にしてください。
ニュージーランドの基本情報
ニュージーランドでのリタイアメント生活を考える際、まず知っておきたいのが国の基本情報です。
ここでは、日本からのアクセスや時差、気候と言語について詳しく解説します。それでは見ていきましょう。
日本からのアクセスや時差
ニュージーランドは、北島と南島の2つの主要な島と小さな島々から成り立っています。北島には首都ウェリントンや最大都市オークランドがあります。
ニュージーランドへの移動は日本から直行便があるため比較的スムーズです。成田空港や関西国際空港からオークランド国際空港までの直行便が運航しており、飛行時間は約11時間~12時間です。また、オーストラリア経由やシンガポール経由でのアクセスも可能です。
時差は、日本よりも3~4時間早く(ニュージーランドの方が進んでいる)、サマータイムが適用される期間(9月下旬〜4月上旬)にはさらに1時間早まります。時差が比較的少ないため日本の家族や友人とも連絡が取りやすい点が移住者にとってのメリットです。
気候
ニュージーランドの気候は、日本と同様に四季がありますが、国全体が温帯または海洋性気候に属しており、極端な寒暖差が少なく過ごしやすい環境です。
北島(オークランド、ウェリントンなど)
年間を通じて温暖で、冬でも平均気温は10℃前後。夏は30℃を超えることは少なく、湿度が低いため快適に過ごせます。
南島(クライストチャーチ、クイーンズタウンなど)
冬は冷え込むことがあり雪が降る地域もあります。スキーリゾートとしても人気がありますが、都市部では日本の冬ほど厳しくはありません。
年間を通じて雨が多い地域もありますが、日本の梅雨のように長期間続くことは少なく、比較的晴れの日が多いのが特徴です。気温の変動が穏やかであるため、寒暖差の激しい日本と比べると快適な気候といえます。
言語
ニュージーランドの公用語は英語とマオリ語ですが、日常生活では主に英語が使用されています。英語圏の中でも比較的聞き取りやすい発音とされています。ただし、ニュージーランド特有の訛り(アクセント)があるため、最初は聞き取りに戸惑うことがあるかもしれません。
移住者向けの英語クラスがニュージーランド各地にあり、英語に自信がない方でも移住後に学ぶ機会が豊富にあります。また、オークランドのような日本人移住者が多い都市では、日本語でのサポートを受けられる機会もあります。
また、日本人コミュニティが各地に存在するため、移住者同士で情報交換をしたりサポートを受けたりすることもできるでしょう。
リタイアメント生活でニュージーランドが人気な理由
ニュージーランドは長年にわたり移住先として注目されてきましたが、特に中高年層の退職後の移住先として関心が高まっています。
では、なぜニュージーランドがリタイア後の生活に適しているのでしょうか?ここではその理由を4つのポイントに分けて詳しく解説します。ニュージーランドがあなたにとって理想的な移住先かどうかを判断するためにぜひ参考にしてください。
自然豊かな環境
ニュージーランドは、手つかずの自然が広がる美しい国です。広大な国立公園、澄んだ湖、壮大な山々に囲まれた環境は、穏やかでリラックスしたリタイアメント生活を求める人にとって理想の場所です。都市部でも自然との距離が近く、散歩やハイキング、ガーデニングなどを日常的に楽しむことができます。
また、空気が澄んでおり、水質も非常に良いことから、健康的な生活を送るのに適した環境が整っています。四季の移り変わりも穏やかで、日本のような極端な寒暖差が少ないことも魅力です。こうした自然環境の中で、ゆったりとした時間を過ごせるのはニュージーランドならではの魅力と言えるでしょう。
質の高い生活と医療
ニュージーランドは生活の質が高く、ストレスの少ない環境であることも魅力の一つです。街の中心部でも混雑が少なく、住宅も広々としており庭付きの家が多いため落ち着いた暮らしができます。
また、医療制度も整っており、永住権を持つ住民や長期滞在ビザ保持者は公的医療サービスを受けることができます。基本的に無料または低料金で公的医療を受けられますが、診察までに時間がかかることもあるため、民間の医療保険に加入する人も少なくありません。
安全で住みやすい社会
ニュージーランドは世界的にも治安が良いのが特徴です。銃規制が厳しく、犯罪率も比較的低いため夜間でも安全に外出できるエリアが多いです。
また、地域社会のつながりが強く、近所同士の助け合いの文化が根付いています。特にリタイア後の生活では、地域のコミュニティに参加することで充実した日々を送ることができます。多くの町や都市ではシニア向けのグループや日本人コミュニティがあり新しい友人を作る機会も豊富にあります。
さらに、ニュージーランドの政府は高齢者福祉に力を入れており、年金制度や介護サービスも整備されています。安全で支援体制が整った環境はシニア層にとって大きな安心材料となるでしょう。
多様なアクティビティ
ニュージーランドでは、シニア層が楽しめるアクティビティが豊富にあります。ハイキングやフィッシング、ゴルフ、カヤックなど自然を活かしたアクティビティが豊富で、中高年の方も楽しめるものが多いです。
また、地域ごとに異なる楽しみ方ができるのも魅力です。オークランドではヨットやウォータースポーツ、クイーンズタウンではスキーやトレッキングが人気です。自然の中でアクティブに過ごすことができるため、リタイア後の生活を充実させたい方にぴったりな環境といえます。
ゴルフやトレッキングといったアウトドアな活動以外にもワインテイスティングやアートギャラリー巡りなど文化的なアクティビティも充実しています。
ニュージーランド移住でリタイアメント生活に必要なビザの種類
ニュージーランドでリタイアメント生活を送るためにはビザの取得が欠かせません。リタイアメント移住を検討している方にとって、主に選択肢となるのは「リタイアメントビザ」「観光ビザ」「投資移民ビザ」の3種類です。
それぞれのビザには申請要件や滞在可能な期間、求められる資産要件などが異なるため、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
リタイアメントビザ(Temporary Retirement Visitor Visa)
リタイアメントビザ(Temporary Retirement Visitor Visa)は、ニュージーランドで長期間滞在を希望する退職者向けのビザです。このビザを取得することで、最長2年間の滞在が可能になります。
主な条件
年齢:66歳以上 最低投資額:75万ニュージーランドドル(約6,500万円)をニュージーランドの認可された投資先に投資 生活資金の要件:50万ニュージーランドドル(約4,300万円)の自己資金を持っていること 年間所得:6万ニュージーランドドル(約520万円)以上の収入証明 |
このビザは、リタイア後にニュージーランドでのんびりと過ごしたい方に適していますが、高額な資産要件があるため、取得できる人が限られる点に注意が必要です。ビザの延長は可能ですが、新たな申請が求められるため、継続的な資産管理が求められます。
観光ビザ(Visitor Visa)
観光ビザは、ニュージーランドでの短期滞在を希望する人向けのビザです。通常の滞在期間は3か月(日本国籍の場合)ですが、最長9か月間の滞在が可能です。
主な条件
滞在目的:観光、家族・友人の訪問、短期滞在 資金証明:滞在中の生活費を賄えるだけの資金があることを証明する必要あり 帰国の保証:帰国の意思があることを証明する書類(帰りの航空券など)の提出 |
観光ビザは取得が比較的容易で資産要件もありません。ただし、リタイアメント目的での長期滞在には向いておらず、ニュージーランドでの永住を目指す場合には、別のビザへの切り替えを検討する必要があります。
また日本国籍の方がニュージーランドへ短期滞在する場合、大使館を通じた観光ビザの申請は不要ですが、「NZeTA(電子渡航認証)」の取得が必要です。NZeTAは、ビザ免除国のパスポートを持つ旅行者がニュージーランドへ入国する際に必要な電子渡航認証のことです。ニュージーランドへ入国する前にオンラインまたは専用アプリでNZeTAを申請する必要があります。
投資移民ビザ(Investor Visa)
投資移民ビザは、ニュージーランドの経済に貢献する意思のある投資家向けのビザです。このビザを取得すると、一定の条件を満たせば永住権を申請することも可能です。
主な条件(Investor 2 Categoryの場合)
最低投資額:4年間に渡って3百万ニュージーランドドル以上を投資 投資対象:政府指定の投資対象(不動産を除く) 居住要件:4年間のうち最低146日間をニュージーランド国内で過ごすこと |
このビザはリタイアメントビザと異なり、投資によって永住権を取得する可能性があるため、ニュージーランドでの安定した長期滞在を希望する人に適しています。
ニュージーランドの福祉・医療制度
ニュージーランドでのリタイアメント生活を考える際、福祉や医療制度の充実度は重要なポイントです。安心して暮らすためには公的医療サービスの内容や、高齢者向けの支援制度を把握しておくことが大切です。
ここでは、ニュージーランドの医療制度や福祉サービスについて詳しく解説します。移住後の生活をより安心できるものにするためにぜひ参考にしてください。
公的医療制度
ニュージーランドでは公的医療制度が整っており、永住権を持つ住民や長期滞在ビザ保持者は無料または低コストで医療サービスを受けることができます。公立病院での治療は基本的に無料で提供されるものの待ち時間が長くなることがあるため、民間の医療機関を併用する人も少なくありません。
ニュージーランドの医療制度では、まず家庭医(GP:General Practitioner)を受診し、必要に応じて専門医や病院へ紹介される形が一般的です。長期的な治療が必要な場合でも、適切な医療を受けられる体制が整っています。
しかし、手術や専門医の診察は数週間から数か月待つこともあり、スピーディな治療を希望する場合には民間の医療保険を活用することをおすすめします。
DhB(地域保健委員会)の通訳サービス
ニュージーランドでは、英語を第一言語としない住民のために、地域保健委員会(District Health Board:DhB)が通訳サービスを提供しています。このサービスは無料で利用することができ、電話による通訳や対面通訳のどちらも利用できます。ニュージーランドのDhBによる通訳サービスを利用することで、英語に不安がある方でも安心して医療を受けることができます。
通訳サービスの利用は、病院やクリニックを予約する際、受付や医療機関のスタッフに「通訳を希望する」と伝えます。予約時に通訳の手配ができるか確認し、必要な言語(日本語)を指定します。医療機関によっては、院内に通訳が常駐している場合と外部の通訳サービスと提携している場合があります。予約の際に、対面通訳なのか、電話通訳なのかを確認しておきましょう。日本語通訳は数が限られているため早めに通訳を手配し、当日も受付で通訳の手配を再確認するようにしましょう。
高齢者向け年金
ニュージーランドでは、一定の条件を満たす高齢者に対し、公的年金(New Zealand Superannuation)が支給されます。これは、長年の納税履歴に関係なく法定年齢に達したすべての住民が受け取れる年金制度です。
年金の主な条件
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年金支給額は、受給者の生活状況(単身・夫婦・同居など)によって異なりますが、基本的に生活費の一部を補助する形となっています。年金だけで十分な生活を送るのは難しいため多くの人は貯蓄や追加の収入源を確保しています。
また日本の公的年金受給資格を持つ方は、ニュージーランドに移住した後も、日本の年金を受け取ることが可能です。日本とニュージーランドは社会保障協定を締結しており、日本での加入期間を合算して、ニュージーランドの年金受給資格を満たすことも可能です。ただし、日本の年金を受給しながらニュージーランドの年金を受け取る場合、支給額の調整が行われる可能性があるため事前に確認が必要です。
まとめ
この記事では、ニュージーランドがリタイア後の移住先として人気の理由や、ビザの種類、医療・年金制度について詳しく解説しました。ニュージーランドでのリタイアメント生活には、豊かな自然、快適な住環境、安全な社会、そして多彩なアクティビティなど、多くの魅力があります。しかし、移住を実現するためには、ビザの取得をはじめとするさまざまな準備や手続きが必要です。
ニュージーランド移住を成功させるためには、事前の計画と正確な情報が欠かせません。ビザの取得方法や具体的な手続きについて不安がある方は、ぜひ株式会社La Quartaにお問い合わせください。あなたの理想のリタイアメント生活をニュージーランドで実現するお手伝いをさせていただきます。
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