top of page
検索

ニュージーランド移住後の子供の教育環境|学校の特徴や日本との違い

  • lmeysmasa
  • 4月10日
  • 読了時間: 13分

ニュージーランドへの移住を検討しているご家族にとって、子供の教育環境は大きな検討事項の一つではないでしょうか。異なる教育制度や学校文化の中で、子供がしっかりと学び、のびのびと成長できるのか不安を感じる方も多いかもしれません。


この記事では、ニュージーランドの教育制度や学校の種類、日本の教育との違い、移住者が直面しやすい課題などについて詳しく解説します。


ニュージーランドの教育は、子供の自主性や創造性を伸ばすことを重視しており、授業の進め方や評価方法、学校生活のルールなど日本とは異なる特徴があります。この記事を読むことで、そうした違いを理解しお子さまが現地の学校生活にスムーズに適応するためのヒントを得られるでしょう。







ニュージーランドの教育制度


ニュージーランドの教育は世界的にも高い評価を受けています。子供たちの個性と才能を伸ばすことを重視し、自主性や創造力を育む教育が行われています。


ここでは、ニュージーランドの基本的な教育制度について解説します。移住先を検討する際や移住後の学校選びの参考にぜひ役立ててください。



学年と年齢


ニュージーランドの学校制度は、日本とは異なる学年の区切り方を採用しています。日本では4月始まりの学年制度が一般的ですが、ニュージーランドでは1月下旬から2月上旬に新学年がスタートし、12月中旬に終了します。また、学年の区分は「Year(イヤー)」で表され、子供の年齢に応じて就学年が決まります。


学年ごとの年齢対応

年齢

学年

5歳

Year 1(小学1年生相当)

6〜10歳

Year 2〜6(小学校)

11〜12歳

Year 7〜8(中学校相当)

13〜17歳

Year 9〜13(高校相当)

ニュージーランドでは、5歳の誕生日を迎えた時点で小学校(Primary School)への入学が可能です。ただし、義務教育は6歳から始まり16歳までと定められています。そのため多くの子供は5歳で入学しますが、6歳からスタートすることも認められています。



無償制度の仕組み


ニュージーランドでは公立の学校教育が基本的に無償で提供されており、国内の永住者(永住ビザを持つ人)や特定のビザ保持者の子供は、現地の学校で無料で学ぶことができます。ただし、授業料が無償でも、教材費や制服、課外活動費などの諸費用は支払う必要があります。


無償で公立学校に通うためには、以下のいずれかのビザが必要です。

  • 永住ビザ(Permanent Resident Visa)

  • ワークビザ(特定の就労ビザ)

  • 一部の学生ビザ(親が就学中の場合)

一方、観光ビザや短期滞在ビザでの滞在では、子供を公立学校に通わせる場合でも留学生扱いとなり授業料が必要になるケースが多いです。そのため、移住を計画する際には、どのビザが取得できるのかを事前に確認することが重要です。



世界的にみるニュージーランドの教育


ニュージーランドの教育は、国際的にも高く評価されています。国内にある8校の総合大学すべてが国立で、全大学がQS世界大学ランキング上位3%に入っています。


また、英エコノミスト誌の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表した「世界各国の未来に向けた教育」調査では、ニュージーランドの教育制度が35か国・地域中1位と評価されました。


ニュージーランドの教育制度は実社会での適応力や創造性を重視する教育方針が世界的に高く評価されています。ニュージーランドはお子さまが将来の社会で活躍できる能力を身につけるのに適した教育環境と言えるでしょう。



日本とニュージーランドの教育の違い


日本とニュージーランドでは教育制度や学習スタイルに大きな違いがあります。


ここでは、授業の進め方や学習スタイル、成績評価の方法、学校生活の文化など日本とニュージーランドの教育の違いについて詳しく解説します。こうした違いを理解することで、お子さまが移住後の学校生活にスムーズに適応できるよう準備を整えることができるでしょう。



学習スタイルの違い


日本とニュージーランドでは、教育の方針や学習方法、成績評価の基準、学校生活の文化などに大きな違いがあります。日本の教育は知識の習得や試験の成績を重視する一方で、ニュージーランドでは生徒の自主性や創造性を伸ばすことが求められます。ここでは、それぞれの違いについて詳しく解説します。


ディスカッション中心の授業

ニュージーランドの授業では、教師が講義をする時間は比較的短く、生徒同士のディスカッションが多く取り入れられています。生徒は自分の考えを発表し他の意見と比較しながら理解を深めていきます。これにより、論理的思考力やコミュニケーション能力の向上につながります。


クリティカル・シンキング(批判的思考)の重視

ニュージーランドでは、暗記型の学習よりも 「なぜ?」を考える力 を養うことが重視されています。生徒は単に知識を覚えるのではなく、それがどのように役立つのかを考える習慣を身につけます。


例えば、歴史の授業では「この出来事はなぜ起こったのか?」といった問いかけが行われ、数学の授業でも「この解き方以外に別の方法はないか?」と考える場面が多くあります。


自律的な学習姿勢が求められる

ニュージーランドの教育では、生徒が自分で学習計画を立て、課題に取り組む姿勢 が求められます。教師は生徒の学習をサポートしますが、あくまで「学びの主導権」は生徒自身にあります。そのため、日本の教育と比較すると宿題の量が少ないですがリサーチ課題やプレゼンテーションの機会が多いという特徴があります。



相対評価と絶対評価


日本では、成績評価に相対評価が採用されることが多く、テストの結果や順位で成績が決まることが多いです。一方、ニュージーランドでは絶対評価を採用しており、生徒一人ひとりの学習到達度に応じた評価が行われます。ニュージーランドの教育ではテストの点数だけでなく日々の学習姿勢や努力が評価されるため、競争よりも個人の成長が重視される傾向にあります。


ニュージーランドの評価制度では、「他人と競争するのではなく、自分自身の成長を大切にする」 という考え方が基本です。そのため、プレッシャーが少なく学ぶこと自体を楽しめる環境が整っています。



学校生活のルールや文化の違い


ニュージーランドの学校生活は、日本とは異なる文化やルールが多く存在します。


まず、制服についてですが、ニュージーランドでは公立学校でも制服の着用が義務となっていることが多いです。日本の私立学校のように、学校ごとに制服が決められており、服装のルールも厳しく設定されています。たとえば、靴や靴下の色、髪型、アクセサリーの有無など細かい規定がある学校も少なくありません。


また、学校行事にも違いがあります。日本の運動会に相当する「スポーツデー」では、学校が複数のチーム(ハウス)に分かれ、様々な競技を楽しみます。日本のように個人の競争ではなく、チームでの協力が重視される点が特徴です。さらに、ニュージーランドの学校ではアウトドア活動が充実しており、ハイキングやキャンプ、環境学習などが頻繁に行われます。



ニュージーランドの学校の種類


ニュージーランドには、公立学校、インテグレイテッドスクール、私立学校、インターナショナルスクール、日本人学校など、さまざまな種類の学校があります。


公立学校は無料で質の高い教育を受けられる一方、インターナショナルスクールでは世界基準の教育を提供しており、子どもの将来の選択肢を広げることができます。また、日本人学校では日本の教育カリキュラムを継続できるため、移住後に日本の学校に戻る可能性がある家庭に適しています。


ここでは各学校の特徴を詳しく解説し、ニュージーランドでの子どもの教育環境を選ぶ際のポイントを紹介します。



公立学校(State School)


ニュージーランドの公立学校(State School)は、政府からの資金援助を受けて運営されており、永住権を持つ家庭の子どもは無料で通うことができます。教育の質が高く、多くのニュージーランド人の子どもたちが通学するため、現地の文化や英語環境に自然に馴染める点が特徴です。


公立学校

  • 対象:ニュージーランド市民・永住権保持者の子ども(留学生は学費が必要)

  • 学費:基本的に無料(寄付金や教材費は自己負担)

  • 教育の質:政府のカリキュラムに基づき、一定の水準が保たれている

  • 特徴:地域ごとに学区があり、住む場所によって通える学校が決まる

公立学校は、学区(Zone)制度があるため、人気のある学校に通うにはその学区内に住む必要があります。そのため、移住後の住居選びにも影響を与える重要なポイントです。



インテグレイテッドスクール(Integrated School)


インテグレイテッドスクール(Integrated School)は、もともと私立学校だったものが政府の支援を受けて公立学校と同じカリキュラムを導入している学校です。ただし、宗教や独自の教育理念を持つ学校が多く、独自の教育方針を取り入れています。


インテグレイテッドスクール(Integrated School)

  • 対象:ニュージーランド市民・永住権保持者の子ども

  • 学費:授業料は無料だが、設備維持費(年間1,500〜5,000NZD程度)の支払いが必要

  • 教育の質:カリキュラムは公立学校と同じだが、独自の教育スタイルを採用

  • 特徴:キリスト教などの宗教教育を取り入れている学校もある

公立学校と比べて、少人数制で手厚い指導を受けられるケースが多いため、より個別対応が必要な子どもには適した選択肢になります。



私立学校(Private School)


ニュージーランドの私立学校(Private School)は、学費を支払うことで、質の高い教育を受けられる学校です。公立・インテグレイテッドスクールと比べて独自のカリキュラムを採用しており、学力向上や進学に力を入れている学校が多いです。


私立学校(Private School)

  • 対象:市民・永住権保持者・留学生すべて受け入れ

  • 学費:年間15,000〜40,000NZD程度(学校による)

  • 教育の質:独自の教育方針を採用し、少人数制や高度な学習プログラムが充実

  • 特徴:学業だけでなく、スポーツ・音楽・芸術などの分野にも力を入れている

私立学校は、留学生の受け入れも積極的で、海外からの学生向けの英語サポートが充実している点も魅力です。また、将来的に大学進学を目指す家庭に適した選択肢と言えます。



インターナショナルスクール


インターナショナルスクールは、ニュージーランド国内にある世界基準の教育プログラムを提供する学校です。国際バカロレア(IB)プログラムや、イギリス・アメリカ式のカリキュラムを採用している学校が多く、将来海外の大学進学を検討している家庭に適しています。


インターナショナルスクール

  • 対象:市民・永住権保持者・留学生

  • 学費:年間20,000〜50,000NZD程度

  • 教育の質:国際的なカリキュラムを導入し、多言語教育も実施

  • 特徴:多国籍の生徒が多く、グローバルな環境で学べる

インターナショナルスクールは、英語だけでなく多言語教育を重視している学校もあり、将来海外でのキャリアを考えている家庭にとって魅力的な選択肢です。

以下に主な学校とその公式サイトをまとめました。各学校の詳細や最新情報については、公式サイトをご確認ください。

学校名

所在地

公式サイト

Scots College

ウェリントン

St Cuthbert's College

オークランド

Rangi Ruru Girls' School

クライストチャーチ



日本語補習校


ニュージーランドには、日本人学校(全日制の日本人向け学校)は存在しませんが、日本語補習校がいくつかあります。これらの補習校では、現地校やインターナショナルスクールに通う日本人の子どもたちが、日本のカリキュラムに基づいた教育を受けることができます。

以下に、ニュージーランドにある主な日本語補習校をまとめます。

学校名

所在地

特徴

公式サイト

オークランド日本語補習学校

オークランド

日本政府の補助を受けた補習校で、幼稚部から中学部までを提供しています。

ワイタケレ日本語補習校

オークランド(ティティランギ)

西オークランド地域の子どもたちに日本語教育を提供しています。

カンタベリー補習授業校

クライストチャーチ

小学部・中学部および附属幼稚園を持ち、日本のカリキュラムに沿った教育を行っています。

ウェリントン補習授業校

ウェリントン

ウェリントン日本商工会によって設立され、国語や算数/数学を中心に指導しています。

これらの補習校は、主に現地校やインターナショナルスクールに通う日本人の子どもたちが、週末や放課後に日本の教育を補完するために通っています。各校の詳細や入学手続きについては、公式サイトをご確認ください。



移住者が直面する教育面での課題


ニュージーランドへ移住する際、子供の教育について不安を感じる方は多いでしょう。特に、英語への適応や日本とは異なる算数のカリキュラムに戸惑うケースが多いです。ここでは、「言語の適応」と「算数のカリキュラム」の違いについて詳しく解説します。


日本の教育とニュージーランドの教育では、学習の進め方や評価方法に違いがあるため、移住後にスムーズに学校生活へ適応できるよう事前に理解を深めておくことが重要です。



言語の適応


ニュージーランドへ移住した際、多くの子供が直面する最大の課題の一つが言語の適応です。日本では英語教育が進んでいるとはいえ、日常生活や学校の授業で英語を使う環境に慣れていない子供にとって、新しい環境での学習は大きな挑戦となります。


しかし、多くの学校では英語を母国語としない生徒のためのESOL(English for Speakers of Other Languages)プログラムが用意されています。プログラムでは、通常の授業に加えて英語を補う指導が受けられます。授業内容は、生徒の英語レベルに応じて変わり、文法や語彙の習得だけでなく実際の会話を通じた実践的な学習も行われます。



算数のカリキュラム


ニュージーランドの算数(Mathematics)のカリキュラムは、日本の教育と大きく異なります。日本では計算力や公式の暗記を重視する傾向がありますが、ニュージーランドでは問題解決能力や論理的思考の育成に重点を置いています。


ニュージーランドの算数教育は、「数(Number)」「代数(Algebra)」「測定(Measurement)」「幾何(Geometry)」「統計(Statistics)」の5つの領域に分かれています。授業では、計算を単純にこなすのではなく、なぜその解き方になるのかを考えるプロセスを重視します。


例えば、掛け算を学ぶ際にも単に九九を暗記するのではなく、ブロックや図を使って概念を理解させる授業が行われます。また、数学的な考え方を日常生活の中で活用する方法も教えられ、子供たちが実生活で役立てられるスキルを身につけることができます。



まとめ


ニュージーランドの教育制度や学校の特徴、日本との違いについて詳しく解説してきました。ニュージーランドの教育システムは、子供の自主性を重んじ、ディスカッションやクリティカル・シンキングを重視する点が特徴的です。また、公立学校では一定の年齢まで無償で教育が受けられる制度が整っています。


移住後の子供の教育に関しては、言語の壁や算数のカリキュラムの違いといった課題があるものの、早期に適応できるようサポートする制度も整っています。移住を成功させるためには、事前に必要なビザの取得や学校選びを慎重に行い、子供がスムーズに新しい環境に馴染めるよう準備を進めることが大切です。


株式会社La Quartaでは、ニュージーランドへスムーズに移住できるようサポートを行っています。教育に関する疑問はもちろん、ビザや生活に関する不安など、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。ニュージーランドでの新しい生活がより安心してスタートできるようサポートいたします。



 
 
 

Comments


bottom of page