キプロスの物価は安い?食費・家賃・教育費を日本と比較
- lmeysmasa
- 6月12日
- 読了時間: 12分
更新日:6月18日

キプロスは、温暖な気候と美しいビーチ、治安の良さなどから、近年移住先として注目を集めている国のひとつです。しかし、実際に移住を考える際に気になるのが「物価」や「生活費」ではないでしょうか。
この記事では、キプロスの物価を家賃・食費・教育費などの項目ごとに詳しく解説し、日本と比較しながら生活費の実態をわかりやすくお伝えします。さらに、リマソールやニコシアなど移住に人気の都市ごとの家賃相場や、現地での生活の工夫についてもご紹介します。
これからキプロス移住を検討したい方が、「実際にどれくらいの費用がかかるのか」「自分に合った生活ができるか」を具体的にイメージできる内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
キプロスとはどんな国?
地中海に浮かぶ美しい島国・キプロス。ヨーロッパと中東の間に位置し、自然と歴史、そして現代的な暮らしが共存する魅力的な国です。移住先として注目が高まる一方で、まだ日本ではあまり馴染みがないため「そもそもキプロスってどんな国なの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ここではまず、キプロスの地理や気候、日本からのアクセスや時差、現地の言語、そして物価の全体的な特徴についてわかりやすく解説します。
地理と気候

キプロスは地中海東部に位置する島国で、トルコの南、ギリシャの東にあります。ヨーロッパ、アジア、アフリカの交差点にあるため、古くから多様な文化が交わる場所として栄えてきました。
国土の面積は四国より少し小さい程度で、島の中央部には山岳地帯、沿岸部には美しいビーチが広がっています。観光地として有名なだけでなく、自然豊かな環境は移住先としても魅力的です。
気候は典型的な地中海性気候で、夏は長く乾燥しており、冬は短く穏やかです。特に夏は晴天が続き、6月から9月の平均最高気温は30℃を超える日もあります。一方で、冬の平均気温は10〜15℃程度で暖房が必要になる時期はごくわずかです。
このような温暖な気候は一年を通じて過ごしやすく、移住者にとっても快適な生活環境となっています。
日本からのアクセスや時差
日本からキプロスへの直行便は現在運航されておらず、通常は中東やヨーロッパの都市(例:ドバイ、イスタンブール、アテネ)を経由する必要があります。経由地や航空会社によって異なりますが、全体の所要時間はおよそ15〜20時間程度です。
キプロスの主要空港は2つあり、ラルナカ国際空港(Larnaca International Airport)とパフォス国際空港(Paphos International Airport)があります。いずれもヨーロッパ各国からのアクセスがよく、乗り継ぎにも便利です。
時差については、日本との時差は通常マイナス7時間(夏時間ではマイナス6時間)です。例えば日本が午後9時のとき、キプロスは午後2時(夏時間なら午後3時)という計算になります。この時差により、連絡やスケジュール調整にはやや工夫が必要です。
言語
キプロスでは主に「ギリシャ語」と「トルコ語」の2つが公用語として使われています。島は南北に分かれており、南部のギリシャ系地域(キプロス共和国)ではギリシャ語が、北部のトルコ系地域(北キプロス・トルコ共和国)ではトルコ語が主に話されています。
しかし、移住を検討している多くの人が住む南部の都市では、観光業が盛んで国際的な背景を持つ人々も多いため英語も広く通じます。行政機関や医療機関、銀行などでも英語対応が進んでおり、日常生活において英語が話せれば大きな不自由はありません。
特に移住者が多く暮らすリマソールやパフォスなどでは、英語を母語としない住民が共通語として英語を使っているケースも多く、国際的な雰囲気を感じられる環境です。
物価
キプロスの物価は、ヨーロッパの中では中程度といえますが、近年のインフレの影響で上昇傾向にあります。特に都市部では家賃や外食費が高めになってきており、都市によって物価に差があるのが特徴です。
例えば首都ニコシアや観光地のリマソールでは物価が高めですが、地方都市や郊外では比較的リーズナブルな生活が可能です。
日本と比較すると、家賃は都市部でも東京ほど高くはないものの、食料品や日用品には輸入品が多いため商品によっては日本より割高に感じることもあります。逆に公共交通機関の運賃や通信費、外食の一部は日本よりも安価です。
全体的に見れば、キプロスの物価は「日本よりやや安い〜同程度」といった印象ですが、ライフスタイルによって大きく変わるため、項目別に詳しく確認しておくことが重要です。
キプロスの生活費はどのくらい?日本の物価と比較解説
キプロスへの移住を考える上で、もっとも気になるのが「実際の生活費がどのくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。現地での生活に必要な費用を具体的に知ることで、リアルな暮らしのイメージが描けます。
ここでは、家賃・食費・教育費・交通費・通信費・光熱費・保険料といった主要な費目ごとにキプロスの生活費を詳しく解説し、日本との比較を通じてコスト感をわかりやすくご紹介します。
移住後の生活設計や予算立てに役立つ情報を現地の実情に基づいてまとめていますので、キプロス移住を検討するための参考にしてください。
家賃
キプロスの家賃は、地域によって大きな差がありますが、全体的には日本(特に東京など都市部)よりも割安です。たとえば、リマソールやニコシアといった主要都市では、1LDKのアパートを月500〜800ユーロ(約8〜13万円)で借りることができます。海沿いや中心地に近い物件はやや高額になりますが、それでも東京の同規模の物件と比べると手頃な価格です。
一方、地方都市や郊外ではさらに家賃が下がり、月300〜500ユーロ(約5〜8万円)程度で快適な住居を見つけることが可能です。家具付きの賃貸が一般的なため、初期費用を抑えてすぐに生活を始められる点も魅力です。
食費
食費は、生活スタイルによって差が出やすい項目です。地元産の野菜や果物、肉や魚などをスーパーや市場で購入して自炊をすれば、1人あたり月200〜300ユーロ(約3〜5万円)で十分にまかなえます。
以下は、2025年3月現在のキプロスでの代表的な食品の価格です。移住を検討するうえで、日々の食卓に必要な基本食材の価格を把握しておくと、現地での生活費のイメージがしやすくなります。
食品項目 | 平均価格(ユーロ) | 日本円換算(約) | 備考 |
パン(1斤) | €1.50 | 約240円 | 地元産、一般的な白パン |
牛乳(1L) | €1.20 | 約190円 | スーパーでよく見かける価格帯 |
りんご(1個) | €0.70 | 約110円 | 品種や大きさにより変動あり |
鶏肉(1kg) | €7.00 | 約1,120円 | 骨なし・皮なしの胸肉が主流 |
卵(12個入り) | €2.50 | 約400円 | 地元スーパーの一般的な価格 |
※為替レート:1ユーロ=約160円で換算
ただし、輸入食品や日本食材、ワインやチーズなどの嗜好品は高めの傾向にあります。外食はカジュアルなレストランで1食10〜15ユーロ(約1,600〜2,400円)ほどで、日本と同程度か少し安い価格帯です。頻繁に外食する場合はその分のコストも加味しておく必要があります。
教育費
キプロスの教育制度には公立と私立の2種類があります。公立学校は原則無料で、現地の言語(ギリシャ語やトルコ語)で授業が行われます。移住者の子どもも条件を満たせば通学可能ですが、言語の壁を考慮する必要があります。
一方、私立のインターナショナルスクールは英語で授業を行っており、移住者の多くはこちらを選んでいます。年間の学費は学校によって異なりますが、5,000〜15,000ユーロ(約80万〜240万円)程度が目安です。これは日本の私立インターナショナルスクールと比較して同程度かやや安めです。
交通費
キプロスには鉄道がなく、主な交通手段はバスか自家用車です。バスの運賃は1回1.5ユーロ(約240円)程度、1日乗り放題チケットは5ユーロ(約800円)と非常にリーズナブルです。月額定期券も40ユーロ(約6,400円)程度で、通勤・通学に便利です。
一方で公共交通の便があまり良くない地域も多く、移住後に自家用車を利用する人も少なくありません。ガソリン代は日本とほぼ同程度で、車の維持費を含めたコストはライフスタイルによって変わってきます。
通信費
キプロスの通信インフラは整備されており、インターネットやスマートフォンの利用に不便はありません。インターネット回線(固定ブロードバンド)は月30〜50ユーロ(約4,800〜8,000円)ほどで契約可能です。
スマートフォンのモバイルプランは、プリペイド式と契約式の両方があります。月額契約の場合、データ容量によって異なりますが、通話とデータ込みで20〜30ユーロ(約3,200〜4,800円)が一般的です。日本よりもやや安い価格帯です。
光熱費
キプロスの光熱費は季節によって大きく変動します。電気代は月平均で60〜120ユーロ(約9,600〜19,000円)程度ですが、夏季にエアコンを多用する場合や電気式の暖房を使う冬季はさらに高くなることもあります。
水道代は月10〜20ユーロ(約1,600〜3,200円)ほどと比較的安価です。ガスは主にボンベ式を使用する家庭が多く、使用頻度に応じて10〜30ユーロ(約1,600〜4,800円)程度です。
全体として日本と比べると光熱費はやや高くなる傾向がありますが、気候が温暖なため、冷暖房の使用を工夫すれば抑えることも可能です。
保険料
キプロスでは、公的医療制度「GESY(イエスィ)」により、現地の居住者は基本的な医療サービスを安価で受けられます。登録料は月額収入に応じて計算され、平均的には月30〜60ユーロ(約4,800〜9,600円)程度です。
ただし、より迅速な対応や英語での医療サービスを求める場合、民間の医療保険に加入する人も多くいます。民間保険の保険料は年齢や補償内容により異なりますが、月額50〜150ユーロ(約8,000〜24,000円)が一般的です。
医療面での安心を求める方には、民間保険の併用がおすすめです。
移住に人気な都市の物価と家賃相場
キプロスと一口に言っても、地域によって物価や生活スタイルには違いがあります。特に移住を検討するうえでは、どの都市が暮らしに合っているか、家賃はどの程度かかるのかを知っておくことがとても大切です。
ここでは、キプロスの中でも移住先として人気のある4つの都市 ― リマソール、ニコシア、ラルナカ、パフォス ― を取り上げ、それぞれの物価や家賃の相場について詳しく紹介します。都市ごとの特徴やコスト感を把握することで、より現実的に生活設計ができるようになります。自分に合った地域選びの参考に、ぜひご活用ください。
リマソール
リマソールは、キプロス第2の都市であり、ビジネスと観光の両方が盛んな都市です。多くの外国企業が進出しており、国際色豊かな雰囲気が漂っています。そのため、物価はキプロス国内でも特に高めに設定されており、家賃も上昇傾向にあります。
中心部の1LDKアパートは月800〜1,200ユーロ(約13万〜20万円)程度が相場です。家具付きの物件が多く、利便性は高いですが、人気のエリアでは空き物件が少なく競争が激しい場合もあります。
生活コストは高めですが、都市機能と海辺のリゾート感を両立した環境は非常に魅力的です。
項目 | 内容 |
特徴 | ビジネス・観光が盛ん、国際色豊かな港町 |
家賃相場 | €800〜1,200(約13万〜20万円)/月(1LDK) |
生活コスト | 高め(キプロス国内で最も物価が高い傾向) |
利便性 | 高い(ビーチ・レストラン・企業・生活環境が充実) |
ニコシア
キプロスの首都であるニコシアは、行政機関や大学、医療機関などが集中する政治・経済の中心地です。海には面していませんが、教育やビジネスの目的で移住する人にとっては利便性の高い都市です。
家賃は中心部で1LDKが月600〜900ユーロ(約10万〜15万円)程度。リマソールよりはやや安価ですが、郊外に出るとさらにコストを抑えることが可能です。
物価に関しては、日用品や食料品は比較的リーズナブルで、自炊中心の生活であればコストを抑えられます。交通や通信インフラも整っており、長期的な生活基盤を築くには適した都市です。
項目 | 内容 |
特徴 | キプロスの首都、教育・行政・医療機関が集中 |
家賃相場 | €600〜900(約10万〜15万円)/月(1LDK) |
生活コスト | 中程度(家賃や日用品はやや割安) |
利便性 | 非常に高い(都市機能が充実、交通インフラ良好) |
ラルナカ
ラルナカは国際空港があり、旅行者にも移住者にも便利な都市です。海に面した落ち着いた雰囲気の街で、リマソールやニコシアほどの都会感はないものの、のんびりと暮らすには最適です。
家賃は1LDKで月500〜750ユーロ(約8万〜12万円)ほどで、主要都市の中では比較的お手頃です。ローカルマーケットやスーパーマーケットの価格も良心的で、コストパフォーマンスの高い生活が可能です。
また、交通量も少なく、空港へのアクセスも良いため、頻繁に一時帰国や旅行をする方にも便利な拠点です。
項目 | 内容 |
特徴 | 空港がある港町、落ち着いた雰囲気の住宅地 |
家賃相場 | €500〜750(約8万〜12万円)/月(1LDK) |
生活コスト | やや安め(家賃・食料品ともにコスパ良好) |
利便性 | 高い(空港・交通アクセスが良好) |
パフォス
パフォスはキプロス西部に位置し、古代遺跡や美しい海岸で知られる観光都市です。リタイアメント層やセカンドライフを求めるヨーロッパの移住者に人気があり、静かで落ち着いた生活環境が整っています。
家賃は1LDKで月400〜650ユーロ(約6万〜10万円)ほどと、4都市の中では最もリーズナブルです。物価も全体的に安めで、自炊を中心にすれば生活費をかなり抑えることができます。
都市としての規模は小さいものの、必要な施設は揃っており、自然に囲まれたスローライフを送りたい方には非常に向いています。
項目 | 内容 |
特徴 | 自然豊かで静かな観光都市、リタイア層に人気 |
家賃相場 | €400〜650(約6万〜10万円)/月(1LDK) |
生活コスト | 安め(キプロス内で最も手頃な生活費) |
利便性 | 中程度(小都市ながら必要な施設は一通り揃う) |
まとめ
キプロスは温暖な気候や治安の良さに加えて、日本よりもやや抑えた生活費で暮らせることから移住先として注目を集めています。特に家賃や食費は都市によって差があり、住む場所やライフスタイルによってコストを大きく調整できるのが魅力です。さらに、公共料金や通信費も比較的リーズナブルで、インターナショナルスクールをはじめとする教育環境も整っており、日本人家庭にとっても安心して暮らせる条件が揃っています。
とはいえ実際の移住にあたっては、各都市の特徴や物価、教育事情などをきちんと理解した上で自分たちに合った地域や住まいや学校を選ぶことが重要です。そのためには、現地に精通した信頼できるサポートを受けることが成功のカギとなります。
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