カナダに移住するには?ビザの種類と取得条件、永住権取得の流れを解説
- lmeysmasa
- 7月22日
- 読了時間: 17分
更新日:1 日前

世界的に人気の高い移住先のカナダは治安の良さに加え、医療や教育制度の充実、多文化が共生する社会など安心して豊かに暮らせる環境が整っています。その一方で、いざカナダ移住を考え始めると「どのビザを選べばいいのか分からない」「永住権を取るには何が必要?」「本当に理想の暮らしが実現できるのか」と、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カナダ移住を検討する方に向けてビザの種類や取得条件、永住権(PR)取得までの流れ、さらに移住後の生活で注意すべき点までを詳しく解説します。
初めての移住でも安心して準備ができるよう実用的な情報をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
カナダ移住のメリット
カナダへの移住を検討するうえで、現地での移住生活にどのような魅力があるのかを知ることは重要な判断材料となります。カナダには治安の良さや社会の寛容性、医療や教育制度の恩恵など、暮らして初めて実感できるメリットも数多く存在します。
ここでは、カナダでの暮らしがなぜ多くの人に選ばれているのか、その理由を具体的に見ていきましょう。
暮らしやすさと治安の良さ
カナダは世界的に見ても治安が良い国として知られています。主要都市であっても、深夜の外出が可能なほど安全性が高く、警察の対応も迅速かつ親切です。また空気がきれいで自然も豊か、都市と自然が調和している点も生活の質を高めています。
さらにカナダの都市はインフラが整備されており、生活利便性も高いです。公共交通機関が発達している都市が多く、買い物や通勤にも困りません。食料品や日用品も日本と同様にそろっており、文化的なギャップを感じにくいのもポイントです。
多文化共生と移民への寛容さ
カナダは多文化主義(Multiculturalism)を国家の基本方針として掲げる、世界でも珍しい国です。さまざまな国から移民が集まり、日常的に異なる背景を持つ人々と関わる機会があります。日本人であることを理由に差別されることはほとんどなく、むしろ多様性が尊重される社会的な風土があります。
政府も移民政策を積極的に進めており、永住権(PR)取得のチャンスが比較的広く用意されています。さらに、日本語で生活しやすいコミュニティが各地に存在し、日本人向けの情報や支援も充実しています。
異文化への理解と共生が深く根付いたカナダは、移民でも安心して暮らせる環境が整っていると言えるでしょう。
医療・教育制度の充実と長期的な恩恵
カナダでは州ごとに整備された公的医療制度があり、永住権(PR)を取得すると通院や入院などの医療費がほぼ無料になります。安心して生活できる環境が整っており、これは移住者にとって大きな利点です。また、一部の州では就労ビザや学生ビザを持つ人も州の健康保険に加入できる場合があり、一定の医療サービスを受けることが可能です。
教育面でも、永住者の子どもは公立学校に無償で通うことができ、質の高い教育を受けられます。さらに、州によってはビザ保有者の子どもも同様に通学できる制度が整っているため、子育て世代にも安心です。
カナダ移住に必要なビザの種類と取得条件
カナダへの移住を実現するためには、目的に応じた適切なビザを選び取得条件を満たす必要があります。就労や学業、短期滞在など、目的に応じて多様なビザが存在し、それぞれに明確な条件や申請手続きがあります。
ここでは、主要なビザの種類ごとの特徴と取得条件について詳しく見ていきましょう。
就労ビザ(ワークパーミット)
カナダで合法的に働くには、基本的に就労ビザ(ワークパーミット)の取得が必要です(例外を除く)。就労ビザにはいくつかの種類があり、代表的なのが雇用主からのジョブオファーを前提とした「雇用主特定就労ビザ(Employer-specific work permit)」です。これは特定の雇用主のもとで働くことを条件として発給されます。
一方で、一定の条件を満たせば「オープンワークパーミット(Open Work Permit)」の取得も可能です。こちらは雇用主が特定されておらず、たとえばカナダ人と結婚した配偶者や、一部の学生ビザ保持者の配偶者などが対象となります。
雇用主特定就労ビザの取得条件
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働く目的でカナダに渡航する場合は、自身の状況に合ったビザの種類と条件をしっかり確認しておきましょう。
学生ビザ(スタディパーミット)
カナダの学校や大学で学ぶことを目的とする場合、学生ビザ(スタディパーミット)の取得が必要です。このビザを申請するには、まずカナダの認可教育機関からの入学許可書(Letter of Acceptance)を得ることが前提となります。
取得条件
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また、一定条件を満たせば在学中に週20時間まで就労することも可能です。さらに卒業後に永住権(PR)を目指すルートとしても活用されており、将来を見据えた選択肢として注目されています。
観光ビザ・eTAとその活用
観光や短期滞在の場合は、電子渡航認証(eTA:Electronic Travel Authorization)を取得することで、カナダへの入国が可能です。eTAはオンラインで簡単に申請でき、有効期間は最大5年間となっています。
取得条件
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eTAを利用すれば、事前にカナダの現地環境を確認する「お試し移住」も可能です。本格的な移住の前段階として活用するのも有効な方法です。
ビザ取得に必要な共通条件と注意点
カナダのビザ取得には、それぞれのビザごとに固有の要件があるものの、共通して求められる条件も存在します。
パスポートの有効期限
健康診断(一定の滞在期間を超える場合)
無犯罪証明書(国によっては省略可能)
十分な資金証明
また、申請内容に不備があるとビザの却下につながる可能性があるため、書類の正確性と一貫性は非常に重要です。翻訳が必要な書類や、形式が定められた証明書などにも注意が必要です。どのビザを選ぶにしても、事前にしっかりと情報収集することが成功へのカギとなります。
カナダの永住権とは
カナダに長期的に居住したいと考えるなら、永住権(Permanent Residency/PR)の取得が重要です。通常のビザと異なり、永住権はカナダに無期限で滞在・就労・就学できる権利を持つ制度であり、将来的に市民権を取得する選択肢も開かれます。
ここでは永住権と市民権の違いや永住権のメリット、そしてカナダが移民を歓迎する背景について解説します。
永住権(PR)と市民権との違い
永住権(PR)と市民権(Citizenship)は似ているようで性質が異なります。どちらもカナダに長期滞在する権利を持ちますが、その範囲や義務に違いがあります。
項目 | 永住権(PR) | 市民権 |
滞在期限 | 無期限 | 無期限 |
就労・就学 | 自由に可能 | 自由に可能 |
選挙権 | なし | あり |
パスポート | カナダのパスポートは持てない | カナダ国籍として所持可能 |
義務 | 最低5年のうち730日間のカナダ滞在義務 | カナダ国民として納税義務など |
永住権保持者はカナダ国民に近い権利を得られますが、選挙権がないなどの制限もあります。また、市民権の取得は永住権を持っていることが前提であり、次のような条件を満たす必要があります。
市民権取得の条件
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永住権を取得したあともカナダに一定期間住み、義務を果たした上で初めて市民権の申請が可能となります。将来的にカナダ国籍の取得を目指す場合は、まず永住権の取得を目指すことが第一歩です。
永住権取得のメリット
永住権を持つことで得られる利点は非常に多く、安定した生活基盤を築くうえで大きな武器となります。主なメリットは以下の通りです。
カナダ全土で就労・転職が自由に可能
医療保険(Medicare)への加入で多くの医療が無償に
公立の初等・中等教育が無償
将来的に市民権取得の道が開かれる
不動産購入や投資にも有利
また、永住者は国際的な信頼性も高まるため、他国へのビザ申請が有利になることもあります。家族での移住を考えている場合にも、パートナーや子どもへの適用が可能な点は大きな魅力です。
カナダが永住者を歓迎する背景
カナダは世界的にも珍しく、政府主導で移民を積極的に受け入れている国です。その理由としては、以下のような背景があります。
少子高齢化による労働力不足の補填
多文化社会の発展と維持
地方経済の活性化
高度人材や起業家の誘致
これにより、移民を単なる滞在者ではなく「共に社会を築く存在」として位置づけているのがカナダの特徴です。州政府も独自に永住権取得プログラムを運用しており、地域ニーズに応じた多様なルートが用意されています。
永住権取得を歓迎する制度と社会的土壌が整っているからこそ、カナダは世界中の移住希望者から支持され続けているのです。
代表的な永住権取得プログラム
カナダで永住権(PR)を取得するには、さまざまなプログラムの中から自分に最適なルートを選ぶことが重要です。それぞれのプログラムは対象者や評価基準が異なり、申請者の学歴、職歴、語学力、年齢などに基づいた選考が行われます。
ここでは、代表的な永住権取得プログラムについて詳しくご紹介します。
エクスプレスエントリー(Express Entry)
エクスプレスエントリーは、連邦政府が管理するポイント制による永住権申請プログラムです。主に以下の3つのカテゴリーに分類され、それぞれに条件が設けられています。
連邦熟練労働者プログラム(FSWP)
高い技能や専門職の経験を持つ人材を対象とするプログラムです。ポイント評価の対象は学歴、職歴、語学力(英語/仏語)、年齢、カナダへの適応能力などです。
ポイント制(CRSスコア)により定期的に招待(ITA)が行われ、上位者から申請が進められます。
連邦技能職プログラム(FSTP)
電気技師、配管工、建設関連職など、熟練技能職を対象とするプログラムです。特定職種において、1年以上のフルタイム勤務経験とジョブオファーが求められます。
労働市場のニーズに合致していれば、他のルートよりも有利に永住権取得が可能です。
カナダ経験クラス(CEC)
過去3年間にカナダ国内での就労経験がある方を対象としたプログラムです。すでに学生ビザや就労ビザで滞在し、フルタイムの職歴を積んだ人にとっては、最も現実的な永住権ルートのひとつです。
語学力と職歴が主な評価対象となり、外国での経験よりもカナダ国内の実績が重視されます。
州推薦プログラム(PNP)
PNP(Provincial Nominee Program)は、各州が独自に運営する永住権推薦プログラムです。州ごとに求める職種や人材要件が異なり、特定の地域に定住する意思があることが条件となります。
たとえば、ブリティッシュ・コロンビア州(BCPNP)やオンタリオ州(OINP)などが人気で、地方都市を活性化させるための取り組みも行われています。
PNP経由での申請は、州の推薦を受けることでエクスプレスエントリーのCRSスコアに600ポイントが加算されるため、非常に有利です。
ファミリースポンサーシップ
家族がカナダに永住権や市民権を持っている場合、ファミリースポンサー制度を活用して永住権を申請できます。対象となるのは以下のような関係者です。
配偶者
同棲パートナー(1年以上同居している場合)
扶養が必要な子ども
親・祖父母(一定の収入要件あり)
この制度は家族の再統合を重視するカナダの方針に基づき、比較的スムーズに進む傾向があります。
その他の選択肢(起業家プログラム、地域パイロット、自営業者など)
永住権取得のためには、上記以外にもさまざまな選択肢があります。特に富裕層や投資家、クリエイティブ分野で活躍する人には以下のプログラムも注目されています。
スタートアップビザ(起業家プログラム):革新的なビジネスを計画し、カナダの指定支援機関から承認を受けることで申請可能
アトランティック・パイロットプログラム:カナダ東部の地方都市での雇用機会を活用した移住支援
自営業者プログラム:スポーツ、文化、芸術などの分野で活躍できる人を対象
これらは一般的なルートよりも申請者の背景やスキルに合わせた柔軟な対応が求められるため、カナダ移民法に精通した「認定移民コンサルタント(RCIC)」や「移民弁護士」などの専門家のサポートを受けることで、申請の成功率が高まる傾向にあります。
永住権申請の流れと必要書類
カナダの永住権(PR)を取得するには、ポイント制に基づいた評価と正確な書類提出、そしてスムーズなプロセスの進行が求められます。申請前に全体像を把握することでミスや遅延を防ぎ、審査の通過率を高めることが可能です。
ここでは、申請の基本的な流れと必要書類について詳しくご紹介します。
申請要件とポイント制の仕組み
エクスプレスエントリーを中心とした申請では、Comprehensive Ranking System(CRS)というポイント評価制度が導入されています。申請者の年齢、語学力、学歴、職歴、適応性などを数値化し、一定のスコアを超えた人が定期的に招待(ITA)される仕組みです。
以下がCRSスコアの主要な評価項目です。
評価項目 | 最大ポイント数(目安) |
年齢 | 110点(30歳前後が最高点) |
学歴 | 140点(修士以上で加点) |
語学力(IELTS) | 160点(高スコアで有利) |
職歴 | 80点(カナダ国内での経験が加点) |
配偶者の条件 | 最大40点 |
州推薦(PNP) | 600点(加点で一気に上位へ) |
スコアは随時変動するため、できる限り高得点を目指す戦略が必要です。特にIELTSやカナダでの職歴、配偶者の条件などは事前に整えておくと有利です。
必要書類(IELTSや職歴証明など)
永住権の申請には、多岐にわたる正式な証明書類の提出が必要です。書類の不備や誤訳、期限切れは審査落ちの原因になるため注意深い準備が欠かせません。
主な必要書類
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すべての書類は原則として英語または仏語への翻訳が必要であり、翻訳者のサインや認証が求められることもあります。プロの翻訳者に依頼することをおすすめします。
申請から承認までの流れ
永住権申請の基本的なプロセスは、以下のステップに沿って進みます。
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通常、ITA取得からPR承認まではおおよそ6か月前後が目安ですが、提出書類や審査状況により変動します。計画的な準備と正確な対応が、スムーズな永住権取得のカギとなります。
カナダ移住前に知っておきたい移住生活の注意点
カナダは多くの魅力にあふれた国ですが、実際に暮らしてみると想像と違うギャップに戸惑うこともあります。移住後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、渡航前にカナダでのリアルな生活環境を理解しておくことが大切です。
ここでは、実際に移住した人が直面しやすい課題やあらかじめ知っておきたい生活上の注意点を解説します。
物価が高く生活費がかかる
カナダの物価は、特に都市部では日本よりも全体的に高めです。住宅費の上昇が著しく、バンクーバーやトロントなどの主要都市ではワンルームでも月額2,000カナダドルを超えることがあります。
【主な生活費目安(都市部の場合)】
項目 | 月額費用の目安 |
家賃(1LDK) | 2,000〜3,000CAD |
食費 | 600〜800CAD |
光熱費 | 150〜250CAD |
通信費 | 80〜150CAD |
外食は高く、税率(GST/PST)やチップ文化もあるため、想定以上の出費になることが多いです。節約術や地元スーパーの活用方法を知ることが、生活コストを抑えるポイントになります。
就職に語学力と職歴が必要
カナダでの就職活動では、英語力の高さと現地での職歴が大きなカギを握ります。特に専門職やオフィスワークなどのホワイトカラー職では、IELTSスコア7.0以上が求められることもあり、ビジネス英語でのやり取りがスムーズにできることが重要視されます。
さらに、多くの企業が採用時に重視するのが「カナディアン・エクスペリエンス(Canadian Experience)」です。これは単に職歴の長さだけでなく、カナダ特有の職場文化や働き方への理解力を示す指標であり、新しく移住した人にとっては大きな壁になることもあります。
こうしたハードルを乗り越えるには、ボランティア活動やインターンシップを通じて現地での経験を積むことが効果的です。また、自分の目指す職種に合ったカナダの資格を取得し、実績と信頼を築くこともキャリア形成に有利に働きます。
教育と医療の制度が日本と異なる
カナダの教育や医療制度は、日本と大きく異なる点が多く、事前に理解しておくことが重要です。教育制度は州ごとに管理されており、進級の基準や学習内容も州によって違います。そのため州をまたいで引っ越す際には、子どもの学習環境や教育方針にどのような影響があるかをよく確認しておく必要があります。
医療についても、日本のように誰でもすぐに保険が適用されるわけではありません。特に永住権を取得していない間は公的医療保険の対象外となることが多く、診察や治療にかかる費用は高額になります。このため、移住当初から民間の医療保険に加入しておくことがほぼ必須と言えます。
制度の違いを理解したうえで、しっかりと準備を整えることが大切です。
まとめ
この記事では、カナダ移住をめざす方に向けて、ビザの種類や永住権取得の流れ、現地の就職事情や生活上の注意点まで幅広くご紹介してきました。カナダ移住のイメージが少し具体的になったのではないでしょうか。
カナダは、雄大な自然、多文化が共存する社会、充実した教育・医療制度など、多くの魅力を備えた移住先です。しかしその一方で、ビザ制度の複雑さや現地ならではの生活環境など、あらかじめ理解しておきたい点も少なくありません。だからこそ、入念な情報収集と計画的な準備が欠かせません。
もし移住に向けて具体的な一歩を踏み出したいとお考えでしたら、ぜひ株式会社La-Quartaにご相談ください。豊富な実績と専門知識をもとに、ビザの取得から現地生活まで安心して進められるトータルサポートをご提供いたします。信頼できるパートナーとともに、理想のカナダ移住を現実のものにしていきましょう。

小林雅之 Masayuki Kobayashi
海外移住コンサルタント、La Quarta代表。20年以上にわたり海外移住支援に携わり、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国の投資移住制度に精通している。これまで多数のクライアントの移住を成功に導いた実績があり、長年の実務経験に基づいて実践的かつ信頼性の高い情報を提供している。
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