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シンガポール移住のメリット・デメリット|ビザの種類と条件も解説

  • lmeysmasa
  • 12 分前
  • 読了時間: 13分
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アジアのハブともいえるシンガポールは、整ったインフラや治安の良さ、また税制優遇が受けられることなどから世界中の富裕層から移住先として注目されています。しかし、実際にシンガポールへ移住を検討する際には、メリットだけでなく、生活費やビザの取得要件などの現実的なデメリットも理解しておくことが重要です。


この記事では、シンガポール移住のメリットとデメリットを詳しく解説し、さらに移住に必要なビザの種類や条件についてもわかりやすくご紹介します。


シンガポールがあなたやご家族にとって理想の移住先かどうかを見極めるための判断材料を得るためにぜひ最後までご覧ください。





シンガポール移住のメリット10選


シンガポールが移住先として注目される理由は税制優遇のメリットだけではありません。高い安全性や充実した公共インフラ、そして英語が広く通用する環境など、シンガポール移住のメリットは多岐にわたります。


ここでは、シンガポールへの移住を検討されている方が知っておくべき、代表的な10のメリットをご紹介します。それぞれの利点を詳しく解説することで、現地での生活をより具体的にイメージしていただけるでしょう。



1. 治安が非常に良く安心して暮らせる


シンガポールは世界的に見ても治安が非常に良く、夜間でも一人で安心して外出できる程安全な国です。監視カメラの設置率は99%超とされ、警察の対応も迅速かつ厳格です。犯罪率が極めて低く、麻薬や凶悪犯罪に対する取り締まりも徹底されているため、長期滞在者にとっても家族連れの方は特に安心して暮らすことができるでしょう。



2. インフラや公共交通が整っている


MRTは全6路線・約200駅、バス路線は300以上あり、通勤・移動の平均待ち時間はたった3〜5分程度です。道路も整備されており、交通渋滞が比較的少ないのが特徴です。また、チャンギ空港は市街地からのアクセスが良く、さらにスカイトラックス社のベスト・エアポート賞を複数年受賞するなど世界クラスのインフラを誇ります。



3. 医療レベルが高く日本語対応病院もある


シンガポールの医療制度はアジアトップレベルとされており、シンガポールの私立病院はJCI(国際医療機関認証)を取得している施設が複数あります。日本語対応は日本語デスクがある病院が3施設、 通訳が常駐するクリニックも多数存在します。


健康保険制度が充実しているとは言い難い面もありますが、月額約3万〜5万円で民間保険に加入することで、安心して十分な医療サービスを受けることが可能です。



4. 教育水準が高くインターナショナルスクールが充実


インターナショナルスクールは100校以上あり、学費は年間2万~4万シンガポールドル(約200万~400万円)と高額ですが、その分IB(国際バカロレア)や英語・中国語のバイリンガル教育が充実しています。公立校に関しても、英語・中国語・マレー語が学べる三言語教育が特色です。教育移住を目的にシンガポールを選ぶ家庭も少なくありません。



5. 英語で生活できる国際的な環境


シンガポールの公用語の一つは英語であり、日常生活はほぼ英語で対応可能です。銀行や役所、病院、スーパーなどの公共サービスはすべて英語で対応しており、語学の壁が比較的低いという点で他のアジア諸国と大きく異なります。


さらに、多民族国家であることや、公用語には英語・中国語・マレー語・タミル語があるため、異文化への理解や国際感覚も自然と養われる環境が整っています。これから海外でキャリアを築く人には大きなプラス要素です。



6. 自然災害のリスクが極めて低い


シンガポールは地震、台風、洪水などの自然災害が非常に少ない地域です。シンガポールは地震帯や台風のルートから外れており、気象庁データでは過去20年で重大な自然災害ゼロです。天候は一年を通じて気温は25~32℃、降雨はスコールが中心で平均湿度は70~80%と高いですが、日本のような災害対策の心配がほとんどないのは精神的にも大きなメリットです。



7. 起業やビジネス展開に有利な政策が整っている


シンガポール政府は起業や外資系企業の誘致に積極的で、法人税の優遇措置や起業支援制度が充実しています。法人税率は標準17%(日本は所得800万円以上の場合23.2%)、さらに初年度の新規企業には最大10万シンガポールドル(約1,000万円)までの税控除が適用される制度もあります。


また、手続きの簡便さや金融制度の整備も進んでおり、グローバル市場を意識したビジネス展開を志す人にとって非常に有利です。特にアジア市場への玄関口としての立地を活かし、投資家や企業家が拠点を置くケースが増えています。



8. 東南アジア各国へのアクセスが良く出張や旅行に便利


アジア・中東・欧州・オセアニアへのアクセスが良好です。LCC(格安航空会社)も充実しており、週末に近隣諸国へ気軽に旅行ができる点も大きな魅力です。チャンギ空港からクアラルンプールまで飛行機で約1時間、バンコクまでは約2時間、ジャカルタまでは2時間半程度。LCC利用で片道5,000円〜15,000円程度で移動でき、週末旅行やビジネス出張に非常に便利です。



9. 個人所得税が低く、節税メリットが大きい


シンガポールの個人所得税は累進課税制度ではありますが、日本や欧米諸国と比較すると非常に低い水準です。たとえば、年収が同じでも税負担が半分以下になるケースもあります。個人所得税は進行税率で最大22%、ただし年間20万シンガポールドル(約2,400万円)以下の所得は税率が2~12%と低水準です。


また、相続税や贈与税が存在しない点も、資産保全を考える富裕層には大きな魅力です。節税を視野に入れた長期的な資産戦略を立てるうえで、非常に有利な国といえます。


シンガポールと日本の所得税率の比較

項目

シンガポール

日本

所得税制度

累進課税

累進課税(所得税+住民税)

年収約2,400万円以下の税率

2%〜12%

約25%〜40%

課税所得500万円の実効税率

約10%前後(目安)

約25%〜30%

課税所得1,000万円超の税率

最大22%

所得税45%+住民税10%=最大55%


10. 外食文化が発展しており多国籍グルメを楽しめる


シンガポールはグルメの宝庫とも言われ、多国籍料理を手軽に楽しむことができます。ホーカーセンターと呼ばれる屋台街では、定食が3~5シンガポールドル(約300~500円)で本格的な各国料理が楽しめる点が魅力です。


日本料理も広く浸透しており、屋台から高級店まで選択肢が広く味やサービスのクオリティも高いです。



シンガポール移住のデメリットと注意点


どんな国にもメリットがあれば、当然ながらデメリットや注意点も存在します。シンガポールも例外ではなく物価の高さや法制度の厳格さ、文化的な違いなど日本と比べて戸惑う場面があるかもしれません。


ここでは、移住前に知っておくべき主要なデメリットと、生活における注意点を具体的にご紹介します。



家賃を含む生活費が非常に高い


シンガポールは世界でも屈指の物価高の国として知られており、とくに家賃の高さは生活費全体を大きく圧迫します。


外国人が住むことの多いコンドミニアムでは、1LDKでも月20万〜40万円が一般的。都心の高層物件や駅直結タイプでは50万円超も珍しくありません。日本の都市部と比べても明らかに高水準で、単身でも慎重な住居選びが求められます。


食料品や日用品も日本より割高な場合が多く、例えば、牛乳1Lの値段が日本では約150〜200円であるのに対し、シンガポールでは約300〜450円と1.5〜2倍になることもあります。また、電気代も年中冷房を使うため高くつきがちです。



生活費の目安(1人暮らしの場合)

項目

月額費用の目安(1人暮らし)

家賃(1LDK)

約20万〜40万円

食費

約5万〜10万円

通信・インターネット

約5,000〜1万円

公共交通費

約5,000〜1万円

光熱費

約1万〜2万円

医療費・保険料

約4万〜7万円


全体として、1人暮らしでも月30万〜60万円程度の生活費がかかる可能性があり、移住前に予算シミュレーションをしておくことが重要です。



教育費


現地のローカル校は比較的安価で月額2万〜5万円程度ですが言語の壁や教育内容の違いがあります。

一方、日本と同様の教育を希望する場合は日本人学校、国際的な教育を選ぶならインターナショナルスクールという選択になりますが、インターナショナルスクールは月額15万〜40万円と非常に高額で年額では数百万円にのぼるケースもあります。


授業料のほかに、入学金・施設費・通学バス・教材費などの追加費用もかかるため家計への影響は小さくありません。



ビザの取得要件が厳格化している


シンガポールでは外国人の労働や居住に対するビザ取得要件が年々厳しくなっています。特に雇用パス(EP)などは、申請者の学歴や職歴、給与条件が審査の対象となり、高所得層や専門スキル保持者が優遇される傾向にあります。条件に満たない場合は、ビザ取得が難航することもあるため計画段階での情報収集が重要です。


記事後半ではシンガポール移住に必要な各種ビザの種類と取得条件について詳しく解説していますので参考にしてください。



法律や規則が厳しく罰金制度も多い


シンガポールは「ファイン・シティ」と揶揄されるほど、罰金制度が多く整備されています。公共の場での喫煙やごみのポイ捨て、ガムの持ち込みなど、日本では問題とされない行為が厳しく取り締まられています。


違反した場合は数万円単位の罰金を科されることもあり、日常生活において常に法律を意識する必要があります。



独特な英語表現(シングリッシュ)に戸惑うことがある


シンガポールでは、英語が公用語でありながら、現地特有の訛りや言い回しである「シングリッシュ」が日常的に使われています。これは中国語やマレー語の影響を受けた表現が混在するもので、初めて耳にする人にとっては理解が難しいことがあります。


例えば、「Can or not?(できる?)」「Don’t be so kiasu(欲張りすぎないで)」「I go first, lah(じゃあ先に行くね)」といった標準英語とは異なるフレーズが日常会話に頻繁に登場します。英語に自信がある人でも、最初は戸惑う可能性があるため、実践的なリスニング力が求められます。



娯楽や生活圏が狭く感じることもある


シンガポールは国土が狭く、車で1時間も走れば端から端まで移動できるほどの小さな国です。そのため、日本のように四季を楽しんだり、週末に遠出をしたりする文化はあまり発展していません。

娯楽の選択肢が限られていると感じることもあり、長期的に住むうえで刺激や変化を求める人には物足りなさを感じることもあるでしょう。



シンガポール移住に必要なビザの種類と条件


シンガポールに移住するには、目的に応じた適切なビザの取得が不可欠です。ビザには複数の種類があり、それぞれ対象者や条件が異なります。


ここでは、主にビジネス関係や投資家向けのビザを中心に、代表的な5つのビザについてその概要と取得条件を詳しく解説します。



EP(エンプロイメントパス)


エンプロイメントパス(EP)は専門職や管理職など、高度なスキルを持つ外国人向けの就労ビザです。


対象

大学卒業以上の学歴を持ち、一定の職歴と専門性がある人

要件

最低月給5,000SGD(約55万円)以上(年齢や職種により変動)

有効期間

通常1〜2年、更新可能

注意点として、年々給与水準の要件が引き上げられており、企業によるスポンサーシップが必要です。転職や離職の際には再申請が必要になる場合もあります。



Sパス(中技能外国人向け)


Sパスは専門職ほど高くない技能職や技術者向けのビザです。主に技術職、オペレーターなどの職種が対象です。

対象

中等教育以上の学歴と一定の職歴を持つ外国人

要件

最低月給3,150SGD(約35万円)以上

有効期間

最長2年、更新可能

EPよりも取得ハードルは低めですが、雇用主ごとの外国人比率に制限あり更新条件が厳格に管理されています。



PEP(パーソナライズドEP)


PEPは雇用先に依存せずに自分自身の能力で長期滞在ができるビザです。転職の自由度が高く、一定期間であれば無職でも滞在が可能です。

対象

高収入のEP保持者または国外の高年収専門職

要件

・現EP保持者で、直近月給が12,000SGD以上

・海外勤務者で過去6ヶ月の月給が18,000SGD以上

有効期間

最長3年、更新不可

シンガポール内での柔軟なキャリア構築を希望する人にとって魅力的な選択肢ですが、条件は非常に厳しいです。



GIP(グローバル・インベストメント・プログラム)


GIPは資産家や投資家向けの永住権取得プログラムです。政府に対して一定額の投資を行うことで、家族も含めて長期滞在が可能になります。

対象

事業歴がある投資家や起業家

要件

少なくとも250万SGD(約2.8億円)の投資が必要

有効期間

最長5年、 更新可能

GIPで対象となる投資分野は以下のいずれかです。


  • 新規事業の立ち上げ、または既存事業の拡大: 航空宇宙、金融サービス、情報通信技術(ICT)、ヘルスケアなど、シンガポールの経済発展に貢献する「Annex B(19ページ参照)」記載の分野。

  • 政府が承認したGIPファンドへの投資: シンガポール企業へ間接的に投資するファンド。

  • シンガポールに拠点を置くファミリーオフィス(Family Office)の設立: 一定額以上の運用資産が必要。



アントレパス(起業家向け)


アントレパスは革新的なビジネスをシンガポールで展開したい外国人起業家向けのビザです。

対象

独自性の高いビジネスプランを持つ起業家

要件

・会社登記

・30%以上出資

・会社が設立から6ヶ月以内であること(設立済の場合)

・下記のカテゴリのいずれか

-起業家:政府認定VCやAngel投資家から最低S$100,000の資金調達実績

-イノベーター:知財(IP)保有または研究連携実績(IHL/A*STAR等) 

-投資家:投資実績のあるビジネスを所有・運営した経験

有効期間

最初は1年、更新条件あり

シンガポールをアジアのイノベーションハブと位置づける政府が、有望なスタートアップや起業家を積極的に誘致するために設けられており、新興企業やスタートアップの設立を目指す方にとってアントレパスは最も現実的な就労ビザの一つです。



まとめ


シンガポール移住は、治安の良さや高い教育・医療水準、英語での生活環境や税制のメリットなど多くの魅力を備えた選択肢です。一方で、生活費の高さやビザ取得の難しさ、法制度の厳格さや文化的な違いといったデメリットも無視できません。これらを十分に理解したうえで、慎重に準備を進めることが必要です。


特に富裕層や投資家にとっては、税金やビザの条件が複雑化している今こそ、専門的な知識に基づいた判断が求められます。シンガポール移住に関する具体的な手続きやアドバイスを得たい方は、海外移住のプロフェッショナルである株式会社La Quartに相談してみることをおすすめします。


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