ニュージーランドの永住権を取得するには?職業リスト(グリーンリスト)や申請条件を解説
- lmeysmasa
- 2月28日
- 読了時間: 14分
更新日:21 時間前

ニュージーランドで永住を目指すなら、必要な条件や職業リストの内容を正確に理解することが成功の鍵です。しかし、永住権取得の手続きが複雑で、どこから始めればよいのかわからないと悩む方も多いのではないでしょうか?
この記事ではニュージーランドの永住権取得に必要な最新情報を、職業リスト(グリーンリスト)を含めて詳しく解説します。また注意すべきポイントも網羅しているため、この記事を読めば迷わず次のステップに進むための知識と自信が得られるでしょう。ぜひ最後までご覧ください!
永住権の種類と取得ルート
ニュージーランドの永住権制度には、居住ビザ(Resident Visa/RV)と永住ビザ(Permanent Resident Visa/PRV)の2段階があります。多くの方がまず居住ビザを取得し、一定期間の居住実績を積んだ後に永住ビザへ移行します。
居住ビザは就労や就学が認められ、条件を満たせば家族の帯同も可能です。原則2年間保有し、滞在実績を積むことで永住ビザの申請資格が得られます。永住ビザを取得すると、出入国の制限がなくなり、真の意味での「永住」が実現します。
永住権取得には主に2つのルートがあります:
①技能移民部門(SMC):年齢、学歴、職歴などをポイント制で評価。現在は「6ポイントシステム」が採用され、合計6ポイントで申請対象となります
②グリーンリスト部門:人材不足職種に特化した優遇制度。Tier 1(直接居住ビザ申請可能)とTier 2(就労経由で申請)の2パターンがあります
自身のキャリアや状況に応じて、最適なルートを選択することが成功への鍵となります。
ニュージーランドの永住権を取得する条件
ニュージーランドで永住権を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。これらの条件は、申請者のスキルや職歴、年齢、健康状態などを基に判断されます。また永住権取得には「職業リスト」に基づく追加条件も関係しており、自分の職業が対象になっているかどうかが鍵となります。
ここでは、ニュージーランドの永住権申請に必要な共通条件や職業リストに関連する具体的な条件について詳しく見ていきましょう。
永住権申請に共通する主な条件
ニュージーランドの永住権を申請する際には、すべての申請者が満たすべき共通条件があります。これらの条件は申請資格の基礎となるため、必ず確認しておきましょう。
永住権申請の基本条件
1. 年齢制限 永住権を申請する際の年齢は通常55歳以下である必要があります。特定の移民プログラムでは異なる年齢制限が適用される場合もあるため、申請するビザカテゴリーごとの要件を事前に確認しましょう。 2. 健康診断 ニュージーランドで生活するために、申請者が健康であることが求められます。健康診断の結果によっては、永住権取得が認められない場合もありますので、注意が必要です。 3. 犯罪歴証明 申請者には、犯罪歴がないことを証明する書類の提出が求められます。安全な社会を維持するため、犯罪歴の有無は厳格に審査されます。 4. 英語力 ニュージーランドでの生活や仕事に必要な英語力を証明するため、IELTS(国際英語能力試験)や同等のテストのスコアを提出する必要があります。求められるスコアは、申請するビザの種類によって異なります。 |
職業リストに基づく追加条件とは
ニュージーランドの永住権取得には、職業リストが重要な基準となります。このリストにはいくつか種類があり、中でもグリーンリストは特に需要の高い職業をまとめたものです。グリーンリスト掲載職業に従事している場合、手続きが簡略化されるなどの優遇措置を受けられる可能性があります。
ただし、これらの職業に該当する場合でも、認定資格や実務経験、雇用契約の取得、地域限定の条件など、追加条件を満たす必要があります。これらの条件を正確に確認し、自分のスキルが申請基準に適合しているかを判断することが成功への第一歩です。
グリーンリストの職業と年最新情報
ニュージーランドの永住権を目指す上で、「グリーンリスト」は非常に重要な指標となります。
ここでは、グリーンリストに含まれる職業カテゴリーについて詳しく解説します。自分のスキルや職業がニュージーランドでどのように評価されるのかを理解し、移住計画の参考にして下さい。
グリーンリストの各Tierの取得条件
■ Tier 1(Straight to Residence)の取得条件
Tier 1は特に需要が高い職種を対象に、就労前の段階から居住ビザを申請できる制度です。現地での就業年数を問われず、職業オファーがあれば直接申請が可能になる点が大きな特徴です。
対象となるには以下の条件を満たす必要があります:
- 指定職種に該当し、職種ごとの資格・学歴・登録要件をクリア
- 申請時55歳以下であること
- 所定の英語力(IELTS 6.5以上など)を証明
- 健康状態や無犯罪といった基本要件を満たす
■ Tier 2(Work to Residence)の取得条件
Tier 2は、グリーンリスト職に就いて一定期間働くことで居住ビザ申請の資格を得られる制度です。認定雇用主のもとで就労ビザを取得し、原則2年間の継続就労が認められます。
その後、就労経由居住ビザを取得し滞在実績を積むことで永住ビザ申請へ進みます。Tier 1同様、55歳以下、英語力、健康状態、無犯罪といった共通要件に加え、職種ごとの専門要件を満たす必要があります。
グリーンリストに含まれる職業カテゴリー一覧
ニュージーランドの「グリーンリスト」は、国内で特に人材不足が深刻な職業をまとめたリストです。このリストに含まれる職業に該当する場合、永住権申請の手続きが優遇される可能性があります。
主な職業カテゴリーとして、以下が挙げられます。
1. 医療関連職
医師、専門医、歯科医師、看護師、薬剤師、救急救命士、歯科技工士など。ニュージーランドでは高齢化が進んでおり、特に地方部での医療人材不足が深刻です。多くの医療職はTier 1に分類され、ニュージーランド医療評議会への登録や特定の英語資格(OET、IELTSなど)が求められます。
2. エンジニア職
土木工学、電気工学、機械工学、工業エンジニアなど多岐にわたります。インフラ整備や産業発展に伴い、技術者認証や実務経験を有するエンジニアは高く評価されます。分野によってTier 1とTier 2に分かれるため、自身の専門分野がどちらに該当するか確認が必要です。
3. 教育関連職
初等・中等教育の教師(義務教育対応)が特に優遇されています。ニュージーランドの教育制度は6〜16歳が義務教育期間で、教育免許の認定、英語力、実務経験などが細かく定められています。幼児教育や科学・数学の専門教師も需要が高い分野です。
4. IT関連職
ソフトウェア開発者、ネットワークエンジニア、サイバーセキュリティアナリストなど。デジタル産業の成長を支える人材として、特に情報セキュリティ分野の専門家の需要が急増しています。
5. 建設および建築関連職
建築士、プロジェクトマネージャー、配管工、電気技師、大型重機オペレーター(ブルドーザー、クレーンなど)が含まれます。住宅不足解消のため、建設業界全体で人材が求められており、認定資格や技能証明があれば永住権取得の可能性が高まります。
■ Tier 2の代表的職業例
自動車整備士、酪農家、保育士なども対象です。これらの職種は認定雇用主のもとで2年以上働くことで、就労経由居住ビザの申請が可能になります。
グリーンリストに含まれる職業は、変更されることがあります。常に最新の情報をチェックするようにしましょう。
2024年に追加された職業とその背景
2024年にはグリーンリストに新たな職業が追加され、永住権申請の対象が拡大しています。この変更はニュージーランドの労働市場や産業の需要増加、技術革新、さらには気候変動への対応といった社会的課題に対応するためのものです。
主な追加職業を以下にまとめます。
1. 農業関連職 果樹園管理者や畜産技術者が新たに加わりました。ニュージーランドの主要産業である農業分野では、気候変動の影響や労働力不足が課題となっています。このため、専門的な知識を持つ人材が求められています。
2. 環境保護関連職 環境エンジニアやエコロジストがリストに加わりました。持続可能な開発と環境保護の取り組みを進めるため、これらの専門家が必要とされています。
3. ヘルスケアサポート職 介護福祉士や理学療法士が新たに追加されました。高齢化社会に対応するため、ヘルスケア分野での支援職が重要視されています。
4. サイバーセキュリティ関連職 サイバーセキュリティアナリストや情報セキュリティコンサルタントが加わりました。デジタル化の進展に伴い、情報の安全性を確保する人材の需要が急増しています。
詳細については専門家に相談することをおすすめします。
ANZSCOとは何か
ニュージーランドの永住権申請で重要な「ANZSCO」とは、オーストラリア・ニュージーランド標準職業分類の略称です。各職業に特定のコードを割り当て、その職業に求められるスキルや資格、職務内容を定義しています。この基準は、申請者の職業が永住権申請に適しているかを判断するための基礎資料となります。
ANZSCOの役割と永住権申請への影響
ANZSCOは、永住権申請の際に次のような重要な役割を果たします。
職業の適格性確認:ANZSCOを使用し、自分の職業がグリーンリストなどの需要リストに該当するかを確認できます。
スキルや資格の特定:職業コードごとに必要なスキルや資格が明確に定義されています。これにより、申請者が基準を満たしているかどうかを判断できます。
職務内容の明確化:各コードには、具体的な職務内容が記載されており、申請者の職務経験が基準に沿っているかを証明するための指針となります。
ANZSCOは単なる分類ではなく、永住権申請の基準を明確化しスムーズな手続きのために欠かせない要素です。
自分の職業コードの調べ方
ANZSCOコードを確認することで、永住権申請に必要な準備を的確に進められます。以下の手順でコードを調べましょう。
1. ニュージーランド移民局公式サイトを利用:ANZSCOコードは移民局の公式サイトで検索できま す。職業名を入力するだけで、該当するコードと詳細が表示されます。
グリーンリストとの照合:取得したコードがグリーンリストに含まれているかを確認します。これにより、永住権申請の可能性が大きく変わる場合があります。
必要条件の確認:コードの詳細情報から、求められる資格やスキルを確認し、不足している部分があれば準備を進めましょう。
専門家への相談:不明点がある場合は、移民コンサルタントや専門家に相談することで、申請手続きを効率化できます。
職業コードの確認は、永住権申請成功のための第一歩です。正確な情報を基に、計画的に進めましょう。
永住権申請可能な職業の条件と特徴
ニュージーランドでは、医療系やエンジニア、介護職、建設業界のように需要が高い職業が永住権申請で優遇されます。それぞれの職種の特徴と申請時のポイントを解説します。自分の職歴やスキルを活かし、申請をスムーズに進めるための参考にしてください。
医療系やエンジニア職が優遇される背景
ニュージーランドでは、医療系やエンジニア職の人材不足が深刻です。このため、これらの分野の専門家は特に優遇される傾向があります。
医療系職種:医師や看護師、薬剤師などは地域の医療提供を支える重要な役割を担います。資格取得や経験が求められるため、事前に必要な条件を確認しましょう。
エンジニア職種:土木や電気、機械分野のエンジニアは、インフラ整備や産業成長を支える要として高い需要があります。グリーンリストにも多くのエンジニア職種が含まれており、申請プロセスが円滑になる可能性があります。
介護職や建設系で永住権を目指すポイント
介護職や建設系も需要が高く、永住権取得のチャンスが広がる職業です。
介護職:高齢者や障害者の支援に関わる仕事で、特に資格不要の職種もありますが、実務経験やコミュニケーション能力が重視されます。
建設系職種:住宅不足解消やインフラ整備のため、建築士や建設労働者が求められています。過去の実績や技能証明を明確に提示できるよう準備しましょう。
永住権取得で実現できること
ニュージーランドの永住権を取得すると、生活の選択肢が大きく広がります。
無期限の居住権
ビザ更新の心配なく、長期的な視点でライフプランを設計できます。永住ビザ(PRV)取得後は出入国の制限もなくなり、真の意味での定住が可能です。
市民権への道
一定期間居住すると市民権申請が可能になり、ニュージーランドのパスポートを取得できます。これにより渡航の自由度がさらに高まります。
社会福祉制度の利用
失業手当、子育て支援、年金制度など、ニュージーランドの充実した社会福祉を利用できるようになります。公立学校の学費や大学・専門学校の授業料も現地学生と同等の扱いとなり、教育面でのメリットも大きいです。
住宅購入の自由
外国人に課されていた不動産購入の制限がなくなり、自由に住宅を購入できます。賃貸に縛られず、資産形成の選択肢が広がります。
永住権取得を目指す際の注意点
ニュージーランドで永住権を取得するには、正確な情報収集と計画的な準備が重要です。申請条件の把握や書類準備に加え、費用やスケジュール管理、最新情報への対応が成功の鍵となります。ここでは、それぞれの注意点を詳しく解説します。
条件確認や書類準備は正確に
永住権申請には、年齢、英語力、健康状態、職業リスト該当性などの条件を満たす必要があります。これらの詳細はニュージーランド移民局の公式サイトで最新情報を確認しましょう。また、申請に必要な書類(例: パスポート、犯罪歴証明書、健康診断書など)を揃え、不備がないか確認することが重要です。提出期限や認定翻訳者による翻訳の必要性も事前に確認してください。
永住権申請では、客観的な英語力証明が不可欠です。移民局が認める試験と最低スコアは以下の通りです:
IELTS(Academic/General)::Overall 6.5以上
TOEFL iBT:79点以上
PTE Academic: 58点以上
OET: 各項目B以上
Cambridge English: Overall 176以上
これらのスコアは申請者本人だけでなく、同行家族にも適用される場合があります。基準は変更される可能性があるため、申請前に必ず移民局公式サイトで最新情報を確認してください。
費用とスケジュール管理は計画的に
永住権申請には多岐にわたる費用がかかります。申請料だけでなく、健康診断や資格認定手数料、翻訳費用なども含めて予算を立てましょう。さらに、健康診断や資格取得に時間がかかる場合が多いため、余裕を持ったスケジュール管理が必要です。全体の流れを把握し、各ステップを確実に進める準備をしてください。
永住権申請には以下のような費用が必要です:
移民局への公式申請費用(ビザ種類により異なる)
英語試験受験料(IELTS: 約NZ$400〜)
健康診断・レントゲン検査費用(指定医療機関)
無犯罪証明書発行手数料
移民アドバイザー利用料(専門家サポートを受ける場合)
資格認定・翻訳費用
ビザの種類や申請内容によって総額は大きく変わるため、事前に詳細な見積もりを立て、余裕を持った予算計画を組むことが重要です。
最新情報の確認と専門家への相談を
ニュージーランドの永住権申請条件や職業リストは、政策変更に伴い定期的に更新されます。そのため、最新情報を把握することが大切です。ニュージーランド移民局の公式サイトや信頼できる情報源を活用して変更点を随時確認し、適切に対応する準備を整えましょう。
手続きに不安がある場合や複雑な手続きを控えている場合は、移民コンサルタントや弁護士などの専門家の助言を受けることをおすすめします。専門家は最新の制度に基づいてアドバイスを行い、スムーズな申請プロセスを支援してくれます。
まとめ
ニュージーランドで新たな人生をスタートさせるために、永住権取得への第一歩を踏み出してみませんか?この記事を通じて、職業リストや条件を正しく理解し、自分のスキルや経験をどのように活かせるかを明確にできたでしょうか。永住権の申請は複雑に思えるかもしれませんが、一歩ずつ計画を立て、最適な方法を見つけることで、成功への道は着実に開かれます。
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小林雅之 Masayuki Kobayashi
海外移住コンサルタント、La Quarta代表。20年以上にわたり海外移住支援に携わり、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国の投資移住制度に精通している。これまで多数のクライアントの移住を成功に導いた実績があり、長年の実務経験に基づいて実践的かつ信頼性の高い情報を提供している。
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