ギリシャに移住するには?永住権の取得法と移住手続き
- lmeysmasa
- 2 日前
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ギリシャは、美しいエーゲ海に囲まれた温暖な気候と、歴史的な文化遺産が息づくヨーロッパの人気移住先のひとつです。特に、一定額の不動産投資を行うことで家族ごと永住権を取得できる「ゴールデンビザ制度」の存在は、日本人投資家にとって大きな魅力となっています。
この記事では、ギリシャへの移住を検討している日本人家族向けに、永住権の取得方法から具体的な手続きの流れ、生活費や教育環境まで、移住に必要な最新情報を解説します。特に永住を前提とした移住を希望する方にとって、投資額や制度の変更点、現地での生活コストを事前に知っておくことは非常に重要です。
ぜひ最後までご覧いただき、ギリシャ移住の一歩を踏み出すきっかけにしてください。
ギリシャ移住の魅力
ギリシャは、ヨーロッパの中でも温暖な気候と美しい自然、歴史的建造物が調和した暮らしやすい国として注目されています。さらに比較的低コストでの生活が可能で、一定条件を満たせば家族ごと永住権を得られる「ゴールデンビザ」制度も整っており、家族での海外移住を目指す日本人投資家にとって理想的な移住先の一つといえます。
ここではまず、ギリシャの魅力を「気候と文化」「生活費」「永住権制度」の3つの観点から詳しくご紹介します。
地中海性気候と歴史ある文化
ギリシャは温暖で湿度の低い地中海性気候に属しており、年間を通じて晴天の日が多いのが特徴です。冬も比較的穏やかで、東京のような厳しい寒さはありません。そのため自然と屋外での時間が増え、心身ともに健康的な生活を送りやすくなります。
またギリシャは西洋文明の発祥地として、パルテノン神殿や古代劇場などの歴史的遺産が各地に残されています。現代においても地域の祭りや伝統音楽、家庭料理などを通じて文化が日常生活に深く根付いています。文化や芸術に関心のある方にとって、日々の暮らしの中で歴史を身近に感じられる環境は大きな魅力です。
生活費が比較的安く豊かなライフスタイルを実現できる
ギリシャは他の西欧諸国に比べて生活費が抑えられる点でも注目されています。特に食材や外食費はリーズナブルで、新鮮な野菜やオリーブオイル、シーフードなどが安価に手に入ります。現地での自炊を中心にすれば家族全体の食費も大きく節約できます。
住居費も都市部と地方で差はあるものの、例えばアテネ市内でも東京やロンドンに比べれば家賃は格段に安いです。さらに医療費や交通費も比較的安く、必要な支出を抑えながらも文化や自然に触れる時間を大切にしたゆとりある生活が実現可能です。
経済的なメリットだけでなく、穏やかな気候や人々のゆったりとした気質もあいまってストレスの少ない生活環境が整っています。
ゴールデンビザで家族でヨーロッパ永住権が取得できる
ギリシャ移住の大きな魅力のひとつが、ゴールデンビザ制度の存在です。この制度は、一定額以上の不動産投資などを行うことで本人だけでなく家族も含めて永住権に近い長期滞在許可を得られる制度です。
現在、ギリシャでは25万ユーロからの不動産購入でゴールデンビザを取得できる地域もあります(一部地域では40万ユーロに引き上げられています)。このビザを取得すれば、ギリシャに居住しながらシェンゲン協定加盟国*への自由な移動が可能になります。
※シェンゲン協定加盟国:パスポートなしで国境を越えて自由に行き来できるヨーロッパの国々のこと |
特に、子どもの教育や将来的なビジネス展開を見据えてヨーロッパへの拠点を探している方にとっては大きな価値があります。時々条件や制度の変更があるため、最新情報に基づいた計画が重要です。
このように、ゴールデンビザを活用すれば家族で安定した生活を送りながら将来の選択肢も広げられます。
ギリシャの永住権を取得する方法
ギリシャでの家族移住を実現するためには、まず永住権の取得方法をしっかり理解することが重要です。特に日本人投資家にとっては、将来的な拠点をヨーロッパに置くうえで、どの制度を活用すれば家族全員が安定した滞在資格を得られるかが大きな関心事となるでしょう。
ここでは、ギリシャ移住における代表的な3つの永住権取得ルート「ゴールデンビザ」「長期滞在ビザ」「結婚による永住権取得」について、制度の概要や要件、メリットをわかりやすく解説します。制度ごとに必要な手続きや取得条件が異なるため、自分たちに合った選択肢を検討するための判断材料としてぜひ押さえておきましょう。
ゴールデンビザ
ゴールデンビザとは、不動産投資を通じてギリシャに滞在許可を得られる投資家向けの制度です。2013年に導入されて以降、外国人にとってギリシャ移住を実現しやすくする手段として注目されています。
この制度の特徴は、不動産購入による取得が可能である点です。現在の最低投資額は地域によって異なり、アテネやサントリーニなどの人気エリアでは80万ユーロ、それ以外の一部地域では25万ユーロから申請が可能です。不動産は自己居住用に限らず、賃貸や別荘としての活用も可能な点が柔軟です。
取得後は5年間有効な滞在許可が発行され、滞在義務がないまま更新も可能です。このため、ギリシャに居住し続ける必要がないという柔軟性があり、複数の国に拠点を持ちたい方にも適しています。
またビザの申請プロセスは他のEU諸国と比べても比較的シンプルで、承認スピードが速いという評価もあります。ただし、行政手続きや制度の細かな運用ルールは変更される可能性があるため、現地に詳しい専門家と連携して進めることが成功の鍵となります。
長期滞在ビザ
長期滞在ビザは、仕事や学業、家族の扶養などを目的とした滞在に適用されるビザで、永住権に繋がる可能性のある手段のひとつです。たとえば、現地で雇用契約を結ぶか、リモートワークでの滞在を計画して「デジタルノマドビザ」などを利用するケースもあります。
これらのビザには、一定の収入証明や医療保険の加入が条件になる場合があります。またビザの種類によっては、滞在期間に応じて永住権や市民権への申請資格が得られることもあります。
ゴールデンビザと異なり継続的な現地滞在が求められるため、「実際にギリシャで生活する」ことを前提とした移住を考えている方向けの選択肢です。
結婚
ギリシャ人と結婚した場合には、配偶者ビザを取得することで、ギリシャに合法的に滞在・居住することが可能になります。このビザをもとに一定期間を過ごすことで永住権や市民権の申請権利が発生する場合もあります。
ただし、ビザの発給には、真実の結婚であることを示す書類や面談など、厳格な審査があります。婚姻による永住権取得を目指す場合には法的手続きや滞在実績なども関わってくるため、専門の行政書士や弁護士に相談することをおすすめします。
このルートは、特に家族形成を前提にギリシャで生活基盤を築いていく方にとって、自然な形での滞在・定住手段となります。
ギリシャ移住の手続きと注意点
ギリシャ移住を円滑に進めるためには、事前にビザ申請から永住権取得までの手続きの流れを把握し、必要な書類や現地でのルールを理解しておくことが欠かせません。特に、初めての海外移住を計画しているご家族にとっては、複雑な行政手続きや文化の違いに不安を感じることもあるでしょう。
ここではギリシャ移住に必要な一連の手続きを時系列で説明し、押さえておくべきポイントや注意事項を詳しくご紹介します。計画的に準備を進めることで移住後の生活をスムーズに始めることができるようになります。安心してギリシャでの新生活をスタートするための基礎知識をここでしっかりと確認していきましょう。
ビザ申請から永住権取得までの流れ
ギリシャへ移住するには、まず目的に応じたビザの取得からスタートします。ビザの種類はゴールデンビザ、長期滞在ビザ、配偶者ビザなどがありますが、どのルートでも基本的な流れは以下の通りです。
必要書類の準備と翻訳 日本で準備した書類はギリシャ語または英語に翻訳し、認証を受ける必要があります。公証やアポスティーユ認証*が求められることもあるため、早めの準備が重要です。
ギリシャの入国管理局または大使館でのビザ申請 居住予定地の管轄機関に書類を提出し、審査を受けます。申請時には、本人の面談や指紋採取が行われる場合もあります。
一時滞在許可の取得と現地居住 承認後、一時滞在許可証が発行されます。これによりギリシャで合法的に暮らすことができ、滞在実績が積み上がっていきます。
条件を満たした上での永住権申請 滞在期間や所得要件などの条件を満たすと永住権の申請が可能になります。永住権を得るとビザの更新頻度が減り、安定した生活がしやすくなります。
※アポスティーユ認証:海外で公的書類を正式なものとして認めてもらうために行う国際的な証明手続きのこと |
申請から永住権取得までは時間がかかるため、計画的に手続きを進めることが成功のカギになります。
必要書類と手続きのポイント
ビザや永住権の申請には、多くの書類と細かい条件が求められます。以下は一般的に必要とされる主な書類です。
パスポート(残存期間に注意)
ビザ申請書
証明写真
所得証明や銀行残高証明(経済的安定性の証明)
不動産売買契約書(ゴールデンビザの場合)
健康診断書や医療保険証明
結婚証明書や出生証明書(家族同伴の場合)
注意すべきポイントとしては、すべての書類にアポスティーユや認証が必要な場合があることです。さらにギリシャ語への公式翻訳が求められるため、翻訳者の選定にも注意が必要です。
提出期限や書類の有効期間を過ぎてしまうと再取得に時間がかかるため、チェックリストを作って進めるのがおすすめです。
移住前に知っておくべき法律や習慣
ギリシャで快適に暮らすためには、法律だけでなく現地の慣習や文化的ルールにも配慮する必要があります。
まず法律面では、滞在許可の条件や更新時期を守ることが重要です。許可の期限を過ぎてしまうと罰金や強制退去の対象になることがあります。また、未成年者の学校登録や医療保険加入も法律上の義務となっていることがあります。
習慣面では、たとえばギリシャでは午後にシエスタ(昼休憩)をとる文化があり、多くの商店や公共機関が一時的に閉まることがあります。また、親しい関係性でも敬意を持った挨拶が大切とされるなど、日本とは異なる礼儀作法もあります。
こうした違いを事前に理解し柔軟に対応できる心構えを持つことで、ギリシャでの生活がよりスムーズで豊かなものになります。
ギリシャ移住後の生活
ギリシャ移住を考えるうえで、永住権の取得や手続きと並んで重要なのが、移住後の具体的な生活環境やコストです。どれだけ制度面が整っていても、日々の暮らしが安心できるものでなければ家族全員が満足する移住は実現しません。
ここでは、「住居費用や地域ごとの家賃相場」「光熱費・通信費の目安」「食費や日常生活にかかる平均的な支出」、さらに「教育制度」まで、ギリシャで暮らすうえで欠かせない生活情報を詳しくご紹介します。日本との違いや現地ならではの注意点も交えながら解説しますので、移住後の生活をリアルにイメージする参考にしてください。
住居費用と地域別の家賃相場
ギリシャでは、地域によって家賃相場が大きく異なります。アテネやテッサロニキといった大都市圏では需要が高いため、2LDKの賃貸物件で月額600〜900ユーロ(約10万〜15万円)が一般的です。観光地として人気のサントリーニ島やミコノス島では、それ以上になる場合もあります。
一方、地方都市や郊外の地域では同様の物件でも月額300〜500ユーロ程度で借りられることもあり、コストを抑えて広い住居を確保することが可能です。またゴールデンビザ制度を活用して不動産を購入する方も多く、不動産購入時はエリアによって最低投資額が異なるため注意しましょう。
物件選びの際は学校や病院へのアクセス、治安、周辺のインフラ状況も重視することが大切です。
光熱費や通信費の目安
ギリシャの光熱費は、季節や居住スタイルによって変動しますが、平均的な家庭での支出は以下の通りです。
電気・ガス・水道代(2〜3人家族):月あたり100〜150ユーロ
インターネット・固定電話回線:月30〜50ユーロ
携帯電話料金(通話+データ):月15〜30ユーロ
夏場はエアコン、冬場は暖房用の電力消費が増えるため、年間を通じた光熱費の変動には備えておく必要があります。通信環境は都市部を中心に整備が進んでおり、光回線が利用できる地域も増えています。
日本に比べて通信費がやや割安な一方で、電力料金はやや高めに感じる方もいるかもしれません。節電意識を持って生活することが長期的なコスト管理につながります。
食費や日常生活費の平均
ギリシャの食費は、自炊中心か外食中心かによって大きく異なります。自炊を基本とした場合、家族3人での月間食費は約300〜500ユーロが目安です。新鮮な野菜、オリーブオイル、パン、乳製品、シーフードなどは地元で比較的安価に手に入る一方で、輸入品や加工食品は割高なこともあります。
外食を多くする場合は、1回あたりの費用が以下のようになります。
カジュアルなレストラン:1人あたり10〜20ユーロ
カフェや軽食:1人あたり5〜10ユーロ
そのほか、生活雑貨や交通費などを含めた日常生活全体の平均支出は、地域やライフスタイルによって差がありますが、月600〜1,000ユーロ程度が目安です。
2025年現在、ギリシャの物価は日本と同程度かやや安い水準ですが、品目や地域によっては日本より高く感じることもあります。インフレによる価格変動もあるため、最新の物価情報を確認しながら生活設計を立てることが大切です。
ギリシャの教育制度
ギリシャには公立と私立の教育機関があり、子どもの年齢や家庭の方針によって選択肢が異なります。公立校は原則として無料で通えますが、授業は基本的にギリシャ語で行われるため、言語面での準備やサポートが必要です。
一方、インターナショナルスクールや私立学校では英語での授業が中心で、教育水準も高いとされています。特にアテネやテッサロニキには、外国人家庭向けの学校が複数あり、中には国際バカロレア(IB)カリキュラムを導入している学校もあります。
さらに、日本人家庭の中には、現地にある日本人学校や補習校の利用を検討する方もいます。アテネには日本人補習授業校が設置されており、日本語での学習を継続させたい家庭にとって選択肢のひとつとなります。フルタイムの日本人学校は存在していないため、日本式教育を重視する場合は、オンライン学習との併用や、一時帰国による受験対策なども視野に入れる必要があります。
学費の目安は以下の通りです。
インターナショナルスクール:年間5,000〜15,000ユーロ
私立ギリシャ語学校:年間2,000〜5,000ユーロ
ギリシャの教育制度は基本的に6歳から義務教育が始まり、12年間の教育課程(小学校・中学校・高校)を経て大学への進学も可能です。EU圏内の他国に進学する道も開かれているため、将来的な進路の選択肢も広がります。
教育環境を重視するご家庭にとっては、事前の学校見学やカリキュラム内容の確認、進路サポート体制の把握が安心な移住計画につながります。
まとめ
海外に拠点を築くことはただの移動ではなく、人生の可能性を広げる大きな選択です。ギリシャへの移住もその一つであり、「暮らす国を選ぶ」という視点から自分と家族の未来を見つめ直す貴重な機会になります。
ただし、永住権の取得には投資額や手続きに関する明確な条件があり、制度の変更にも注意が必要です。またビザ申請から生活の立ち上げに至るまでには、多くの準備と正確な情報が求められます。生活費や教育環境など、移住後の暮らしを安心して始めるためにも事前の知識が不可欠です。
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